レポート | 日帰り
鳴子温泉郷の中でも特に湯治場色の強い東鳴子温泉にあり、鳴子温泉郷で唯一の鉄天然ラジウム泉を売りにしているのが黒湯の高友旅館。名物の黒湯ばかりでなく四種類の源泉が楽しめる宿となっている。
高友旅館の建物は古い。歴史建造物というほどの重厚感はないが、それでもそれなりに歴史を偲ばせ、郷愁誘う雰囲気は充分に漂わせている。中に入れば磨かれた床板が昔の学校を思い出させ、レトロ好きにはたまらない。
高友旅館には男女別の内湯、貸切風呂がふたつ、婦人風呂、そして「黒湯の高友旅館」と名前にある通りメインの浴場である黒湯の混浴大浴場がある。黒湯と呼ばれる含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉は大浴場にしかなく、女性専用時間は設けられているが宿泊者に限られるので、日帰りでは混浴でしかこの黒湯を楽しむ事はできない。大浴場の隣に婦人風呂はあるのだが、そちらは黒湯ではない。
【黒湯】
黒湯の脱衣所はひとつしかないが、中には衝立で仕切られたエリアがあり女性への配慮がされている。それでも抵抗があるなら、すぐ隣が婦人風呂なのでそちらで着替える事もできなくはない。
大浴場の浴室は広く、湯槽もふたつあるので比較的混浴しやすいと思う。ふたつの湯槽の湯はそれぞれ泉質が違う。入ってすぐの手前が黒湯、奥がプール風呂と名付けられた湯槽。
プール風呂の湯は青白く、ぬるめで炭酸のさわさわした湯触り。黒湯は黒土のような色で温度は熱め、石油臭がする。一部で熱烈なファンもいる石油臭の湯だが、自分はそんなに嫌いじゃないんだけど、ツレはあまり好きじゃないようでプール風呂にばかり浸かっていた。
【ラムネ風呂】
高友旅館に行ったら男女別の内湯にも入るべきというのをどこかで見たので、そちらにも行ってみた。男性浴場はひょうたん風呂、女性浴場はラムネ風呂と名付けられている。同じ泉質のようだが、源泉が同じかはわからない。
大浴場のプール風呂よりも炭酸が強いらしく、ざわざわした肌触りが面白い。黒湯だけで満足せず、男女別にも入ってみたのは大正解。もっと時間をかけて楽しみたい気持ちも同時に涌いてきた。