レポート | 日帰り
男女別内湯とふたつの貸切露天風呂を持つのが扇屋。貸切も含めて日帰りでも利用できる。鳴子温泉は狭い範囲に宿が密集しており駐車場を持たない宿も多いが、扇屋は宿に隣接して駐車スペースが用意されてあった。だが何軒かはしごを目論むなら、鳴子駅前のゆめぐり広場の先にある無料駐車場に車を停めて歩くのが良いかと思う。
扇屋は少しだけ高台にあるが、坂の下に扇屋の駐車スペースがあって最初そこに車を停めようとした。しかし進入したはいいが積もった雪のため方向転換さえできなくなり、危うく立ち往生するところだった。
なんとか脱出して、仕方なく坂道を上がってみると宿の前にも駐車スペースがあり、こちらは急いでやったらしいが除雪されていたので助かった。本当に雪には苦労させられる日だ。
【日帰り入浴料】
宿には連泊らしい少数の客以外、立ち寄りの客などこんな日には当然ながら一人もいなかった。日帰り入浴料は一人1,000円、二名で2,000円。貸切風呂利用も含んでの値段だが、内湯利用だけの料金があるのかは確認しなかった。時間の目安は貸切が30分程度、内湯利用と合わせて2時間以内だそうだ。
【貸切露天風呂】
貸切露天風呂は屋上にふたつ並んである。客室のある上階からさらに階段を上がると、銀色の味気ないいかにも屋上へ出る感じの扉があるのだが、そこを開けると素っ気なさとは打って変わって木の板で囲まれた空間となり、貸切露天風呂の「はなぶち」と「やはた」が並んでいた。
空いていればどちらを利用してもいいのだが、見比べてみると雰囲気は殆ど一緒で、わずかに「はなぶち」の方が大きい。せっかくだから大きい方の「はなぶち」に入ったが、雪の吹き込みは「やはた」の方が少ない気がする。
脱衣所には屋根がかかっているが、ほぼ吹きさらしでトタンの仕切りが掛かってない部分は雪が吹き込み床も濡れている。湯槽の上には屋根もなく、雪が積もっているので湯に入るまでが少々つらい。せっかくの雪景色なのだが、ますます激しく降り始めた雪が肩に当たって冷たい。ずっと首まで湯に浸かって動けない、苦行のような入浴になってしまった。
目の前がコンクリで’固められた山の法面なので景色は良いとは言えないが、雰囲気作りはそこそこ上手いと思う。雪景色なら格別…となる筈だったのに、扇屋の貸切露天を楽しむなら悪天は避けるべきだった。