レポート | 宿泊
旅館大沼にある浴室の数は全部で八箇所。六箇所が貸切、女性専用が一箇所、そして混浴の大浴場がある。一番大きな貸切露天風呂は宿から離れた場所にあり、送迎の都合上利用は宿泊者のみに限られる。混浴大浴場や他の貸切風呂は日帰りでも利用できるが、なにせ数も多いしなかなか大変。などと考え合わせた上、今回は宿泊する事に決めた。
徐々に強く降り始めた雪の中、14時にチェックイン。駐車場といったきちんとしたスペースはなく、宿に横付けする形で路上駐車となる。せいぜい四台程度しか停められないので、それ以上はどうするのだろうと思った。東鳴子温泉入り口から入ってすぐの所に昔は共同駐車場的なスペースがあり、今はドラッグストアができているが駐車場は大きいので、そこに停める位しか思いつかない。旅館大沼の辺りは宿が密集していて駐車場がない旅館もあり、東鳴子で日帰り温泉めぐりをする場合にもそこに駐車して歩くのが良さそうではある。
【貸切露天風呂「母里の湯」】
チェックイン時に宿泊者専用の庭園貸切露天風呂「母里の湯」を予約する。旅館大沼の貸切風呂の中で、送迎が必要な為ここだけは予約が必要。他の貸切風呂は空いていれば時間の制限もなく自由に利用できる。
「母里の湯」は線路を越えた丘にあり、小さなワゴンで連れていってもらえる。利用時間は送迎の都合もあってか一組30分とさすがに短い。宿泊客が少なければ長くしてもらえることもあるようだが、この日は7〜8組の宿泊数だったので30分だった。
「母里の湯」の雰囲気はなかなか良く、明るい時間に加え夜にも来てみたくなるが、両方というのができないのはかなり残念。
【混浴大浴場「薬師千人風呂」】
一番大きな浴室は混浴大浴場の「薬師千人風呂」。千人は言い過ぎだろうが、結構大きな内湯だ。天子の壁画が独特の雰囲気。脱衣所は男女別にあってそれぞれ浴室の一番遠い両サイドに分かれており、特に冬場は湯気で相手側が全く見えないほどで、女性でも入り難いということはなさそう。
【貸切風呂】
館内の風呂は「陰の湯」と「陽の湯」だけ四階にあり、他は一階にまとまってある。小さいながらも露天風呂もある。食事を挟んで寝るまでずっと貸切風呂めぐりに費やされてしまうが、それもまた楽しい。
隣から聞こえてくるよくしゃべる小さな女の子の声が、いかにも楽しげで満足そうだったのが印象的。おそらく風呂にあったオブジェに語りかけていたっぽいが、頻りに別れを惜しんでいたのが面白かった。