レポート | 日帰り
強いアルカリ性でとろとろした肌触り、日本を代表する美肌の湯・美人の湯のひとつである中山平温泉。全国11種類の泉質のうち、5種類の泉質が集まる。
宿ごとにそれぞれ泉質やpHが違うが、あすか旅館はアルカリ性単純温泉-低張性アルカリ性高温泉で、中山平温泉の中で唯一飲泉許可のある温泉を持つことで知られる。
【あすか旅館の風呂】
あすか旅館には男女別の内湯と、混浴の露天風呂がひとつある。露天風呂は駐車場のすぐ横にあり、館内からではなく外からしか行けない。
雨が降り出したために温泉街は閑散としていたが、あすか旅館には意外に人がいて、ロビーにも数名がたむろっていた。個人経営っぽいあすか旅館という名前からいつものように誰も客がいないのを想像していたが、人気が高いことを見直させられた。客が多いと混浴は難しいかなと思いつつ受付をし、露天風呂に向かう。でもそれは杞憂で、露天風呂には一人もいなかった。
【混浴露天風呂】
露天風呂の周りは板塀で囲まれているが、下部は開いているし隙間もあって頼りない。近付いて覗けば中が見えてしまう。駐車場のすぐ横だけに不安感もあるが、駐車スペースは広く露天風呂は正面玄関から離れているために、平日のうえ雨が降り始めたこの日は数台しかいない車は全部玄関付近にしか停まらず、気になることはなかった。しかし休日で車がいっぱいになった時には人の動きが気になるかもしれない。
脱衣所は男女共用のひとつしかなく、女性には厳しい造り。面白いのは、引き戸がひとつだけなのだがその真ん中を板塀で露天風呂の内と外に仕切っているので、外側の出入口を開ければ露天風呂側が閉じられ、露天風呂側を開ければ外側が閉じられ、内と外の同時出入りができない。まあ両側を開け放たなければならない用事もないだろうから問題にならない事だけど。
服を脱いで脱衣所から数メートルだが少し長い距離を歩くと、露天風呂の湯槽がある。その間、頼りない板塀のため少々恥ずかしい感じ。
露天風呂には屋根があり、結構強く降り出した雨にも濡れることがなく安心。湯は表面張力が強いようなぬたぬたした見た目がいかにも中山平温泉らしい。触るととろみは強くはないが、まったりと優しくまるで美容水のよう。温度は高過ぎず誰でも入り易い。
湯にどっぷり浸かると板塀の下から駐車場が見える。この頼りなさに入るのを躊躇する女性は多そうだが、逆に外から見える故に先客が女性なら遠慮もするだろうし、またついに最後まで露天風呂に来る人はいなかったので殆どの客は内湯が目当てらしく、ほぼ貸切状態という点では敷居が低い。
そういえば同じ中山平温泉の今は無き東蛇の湯でも、内湯には何人もいたけど露天に出ている人は一人もいなかった。あすか旅館も含め中山平温泉には湯の効能目当ての人が多くて、露天は眼中にないのだろうな。
※地震の影響で混浴露天風呂は閉鎖。