レポート | 宿泊
穂高莊グループの「山のホテル」は、グループの「山月」と同じ蒲田川沿いに並んで建ち、その距離は車で2〜3分程しか離れていない。「山のホテル」の方が「山月」より上流に位置する。「山月」は和風の高級旅館風であるが、「山のホテル」は洋風で、料金も山月よりリーズナブルだ。どちらに宿泊しても両方の風呂に入浴することが可能。日帰り入浴は受け付けていない。
【大露天風呂「山峡槍の湯」】
「山のホテル」の目玉である大露天風呂「山峡槍の湯」は、とにかく巨大。近くの佳留萱山荘の露天風呂も大きいが、ひとつの湯舟がこれだけ大きいのは奥飛騨でもここが最大であろう。蒲田川のすぐ横に作られた露天風呂は景色を遮る物も無く、これほどの開放感は他ではなかなか味わえない。穂高岳、丸山に挟まれ、奥に見える中岳の向こうに覗く槍ケ岳の尖った山頂。これほどの荒々しく美しい北アルプスの山容を眺めながら入浴できるのも、奥飛騨ならではの醍醐味だ。
露天風呂へは道路端のエレベーターで降りて行く。横に階段もあるが、標高差がかなりあるので歩きはきつい。夜中にはエレベーターが止まってしまうので、歩きたくなければ時間に注意が必要。脱衣所は男女別。湯舟の広大さゆえ、女性でも入り難さはない。
この広さでも、湯温は熱いくらい。湯舟は湯面より低い岩によりいくつかに仕切られている。夜に入浴する時は見えづらいので、蹴躓かないように注意が必要。入浴者が多い場合は女性側と男性側に明確に分かれてしまいそうだ。所々湯の底から熱い湯が噴出している箇所があり、下手にそこに留まると火傷しかねない。実際、火傷しかけた。要注意だ。
ちなみに、新穂高の湯は「山のホテル」から配湯されていた。しかし事情は知らないが最近になって湯量を絞ったか配湯を止めたかしたようで、湯温が下がったために冬季の入浴ができなくなっている。
【貸切露天風呂】
「山のホテル」には貸切露天風呂もある。大露天風呂は写真撮影禁止なので、上の写真は貸切露天風呂のもの。最近は撮影禁止の温泉が増えており、温泉写真コレクターにとっては寂しい限りだ。貸切風呂の利用には予約が必要となり、時間は40分間、特に朝は3回しか入浴可能時間がないので、チェックインと同時に予約しておくべき。
景色や広さは「山峡槍の湯」に敵うべくも無いが、そこいらの露天風呂と比べれば大きい方。
【姉妹館「山月」にも入浴可能】
「山月」にも入浴に行くなら、「山のホテル」間を往復している専用定期バスを利用することになる。出発時間が決まっており、こちらも予約制。15:10〜22:40までに8本が運行されている。但し、17:30と22:40は山月からの復路用のため帰ってこれなくなるので注意。