レポート | 宿泊
山荘錫杖は奥飛騨温泉郷の最奥、新穂高温泉の中尾高原地区にある。行ってみればその名の通り錫杖岳を背負う姿に、なるほどと頷く。山荘錫杖には男女別の内湯の他に、女性専用露天風呂と貸切露天風呂、そして混浴の露天風呂がある。日帰り入浴はやっていない。
【客室】
客室数は全7室。笠ヶ岳、奥穂高岳、西穂高岳、槍ヶ岳、錫杖岳、焼岳、双六岳と北アルプスの山にちなんだ名が付けられている。10畳か9畳の和室で、洗面台や小型冷蔵庫は備えられてあった。トイレは部屋に無いが、大きくもない家庭的な宿なので苦になる事はない。
家族経営だからと、部屋の暖房はいいにしても館内は寒いんじゃなかろうかと心配もあったが、全くの杞憂で、温泉熱を利用した暖房なのだそうで、全館暖房のため夜中にトイレに起きても寒さは感じなかった。
部屋からは錫杖岳から笠ヶ岳にかけての稜線がよく見えた。食事は部屋食ではなく、一階の食事部屋でいただくことになるが、そこからもやはり錫杖岳が見える。さらに全ての露天風呂からも錫杖岳を眺められるし、北アルプス登山の玄関口でもあるここで登山の前後にでも泊まれば、山好きにはたまらない山三昧の宿だろうことは間違いない。
【混浴露天風呂】
男女別の内湯の左に露天風呂への出口があり、出るとまず混浴露天風呂がある。脱衣所は男女別にあって、手前が男性用となる。
引き戸のガラスは磨りガラスだが、なぜか女性脱衣所の一枚だけ素通しのガラスが嵌まっている。これは女性が入浴中は男性は遠慮しろという無言の圧力か、てな意図があるのかないのか(笑)、でも男の側としては女性が入浴中に気付かずずけずけ入ってしまって気まずい思いをせずに済むなら有り難いかもしれない。もし逆だったらと考えてみても、男性が入浴中に女性が入ってしまってもまあ何の問題もなさそうか。
石で組まれた湯槽は大きく、天気が良ければ入浴しながら錫杖岳を眺める事ができる。
【貸切露天風呂】
露天風呂への出口に貸切利用予約のパネルが掛かっている。貸切風呂を利用したい時間の蘭に部屋の名前の書いた札を掛けると、その時間が貸切風呂の予約となる。時間は3時から12時までとなっており、食事時間の6時と7時を除くとちょうど7回分となり、全部屋が埋まっている日でも最低1回は貸切風呂を利用することができる。ちょうどこの日は泊まり客も少なかったため、空いていれば自由に何度でもOKだった。貸切風呂の利用に追加料金は必要ない。
貸切露天風呂は混浴露天風呂を回り込んだところに、女性露天風呂と並んである。ツレが先に混浴の脱衣所に入り、自分はちょっと貸切を見てこようと回り込んでいったら、脱衣所から露天へ出てきた裸のツレと目があった。混浴露天風呂は一段高くなっているから直接外から湯槽は見えないが、立ち上がった人は見えてしまうという位置関係。ちょうど混浴露天風呂から錫杖岳を見た方向に貸切露天風呂の入り口があるから、こういうことになっている。
貸切露天風呂の大きさは混浴露天風呂のだいたい半分くらい。それでもそこそこ大きい。混浴露天風呂と同じように湯槽から錫杖岳を眺められる。湯槽の大きさのためか、混浴露天風呂より若干熱めの湯だった。