レポート | 日帰り
霧島硫黄谷温泉へ向かう手前、路肩が広くなっている場所が有り、自然探勝路入口の標柱が立っている。そこから自然探勝路を1分ほど進んだ所にあるのが、霧島最古の岩風呂と言われる野湯、目の湯。
自然探勝路は、一方の端を丸尾の滝付近から始め、千畳敷などを通る全長およそ2.3kmほどのコース。そのもう一方の端がこの目の湯がある場所。岩の底から自然に湧く無色透明の湯が湯溜まりを作り、湯船となっている。目に良い温泉とされ、目の湯の名前の由来となっているが、特に科学的な根拠はないらしい。
【ロケーション】
目の湯があるのは、探勝路のすぐ横。奥まってもなく隠れる場所もない。探勝路を歩く観光客がそれほど多いとも思えないが、徒歩1分でいつ人が通るかもわからない環境では、ちょっと入浴のハードルは高め。
木々が生い茂っているとはいえ、目の湯から路肩に停めた自分の車が見えていたので、逆も見えるということだろう。ただ、そちらから人が来る場合には早く気付けるメリットもある。
自分はツレの入浴中は監視に回ったが、やっぱりいつ誰が通るかわからない環境では、二人一緒にまったり入浴を楽しむという雰囲気ではない。
【目の湯】
岩に溜まった湯は澄んでいて、不潔な感じは全くない。野湯としては高評価。喜びながら手を浸けてみると、かなり熱めで、少し浸けてるとじんじんしてくるほど。自分は足を入れるだけで精いっぱいだった。
目の湯の温度は季節や気候によって変わるらしい。だから運が良ければ適温で入浴できる可能性もある。季節的には冬がぬるめの傾向のようだ。
【川の湯】
目の湯の奥に流れている川は白濁していて、温泉の川となっている。温度はぬるめで、この日は入り易かった。目の湯が適温なほど温度が下がる時なら、こちらはほぼ水に近くなるかもしれない。
川の湯は目の湯とは違う源泉。上流にある霧島ホテル付近の噴気帯を通る川と、旅行人山荘が引いている源泉施設からのオーバーフローが合流して、この川の湯に流れ込んでいるらしい。
川そのままだから、川の湯は目の湯よりさらにワイルド。川底は若干滑りやすく、岩がごろごろしているので移動には慎重さを要す。川の流れの向こう岸の岩を乗り越えると、流れが淀んで湯溜まりとなっている箇所があるが、特にそちらの方が温かいということもなく、快適さは変わらなかった。上流側に行けば探勝路から直接は見えなくなるが、小さな滝のようになっていて流れが急なので、無理はしない方がいい。