レポート | 日帰り
霧島温泉郷の最奥にして最も標高の高い、900mを超える高みにあるのが新湯温泉。その一軒宿が新燃荘。ネットで調べても、その湯は評価が高く、良い評判ばかり目に留まる。
山好きが目を引かれる点としては、国民宿舎みやま荘が閉館した今、地図で見る限り高千穂河原へ一番近い宿のようだし、霧島温泉郷の中で最もえびの高原寄りにあるから、韓国岳へのアクセスも悪くない。しかも山の温泉らしい風情もあるから、霧島連山の登山ベースとして新燃荘はなかなか良い選択に思える。
【撮影禁止】
日帰りの受付をすると、カメラやケータイなどの貴重品を預けるように言われる。浴室には鍵のかかるロッカーなど無いからということだが、ちょっと建て前くささは否めなく、不審者対策臭を感じた。
当然、浴室内は撮影禁止となっているので、他に入浴客は誰もいなかったが、風呂の写真は1枚もない。コレクター気質の自分としては、風呂の写真がコレクションに入れられなくて残念であるが、これも時代で仕方がない。ただ、歳も取ってくると細かいことはどんどん忘れて行ってしまうので、写真がないと風呂の細かいディテールなどすぐに記憶が薄れてしまうことが無念ではある。
まあ、九州でも色々荒んでいるのかなと、九州の混浴事情が垣間見えた気がする。
【30分制限】
受付のある玄関の対面に、浴舎への入り口があって、その上部に書かれた効能などの口上に混じり、1回の入浴は30分以内と書いてある。これは不審者対策というわけではなく、硫化水素を大量に含んだ湯のため長湯は危険という理由らしい。
【混浴?露天風呂】
浴舎入り口から階段を下りると正面に混浴露天風呂があった。くの字に曲がった湯船なので、全体が丸見えなわけではないが、着替える前から風呂が見えてしまうのは、入浴している側から見たらちょっと気恥ずかしい気もする。
階段を下りて右手が露天風呂で、左側手前に男性脱衣所の扉、もう少し先に進んだ左側に女性脱衣所の扉がある。脱衣所の奥に男女それぞれの内湯。露天風呂に行くにはまた戻る形になるが、内湯に入ってから脱衣所に戻って露天に向かうと脱衣所をびちゃびちゃにしてしまうだろうからか、脱衣所とは別に露天風呂への動線が作られていて、扉も別になっている。女性側も同じ用な構造のようだ。
女性側には橙色のバスタオルが用意されていて、露天風呂はそのバスタオルを巻いて入浴するよう書いてあったそうだ。濃い乳白色の硫黄泉ということもあり、女性も入り易い混浴だと思う。
ひとつ気になるのは、脱衣所に色々やってはいけない注意書きが貼って、まあそれだけでちょっとげんなりな気分にはなるのだが、その中に10歳以上の男女の混浴は遠慮するよう書いてあったこと。これを真に受ければ、それはもう混浴とは違う。それにしては宿に置いてあったチラシには「男女混浴の露天風呂からの星空」なんてフレーズもあるし、時間帯で男女の入浴時間を分けることもしていない。早い者勝ちで男性か女性か決まるのだろうか?
と、あれやこれや気になって、自分は全く楽しめなかったというのが正直なところ。ネットの評判とは逆で、もう一度来たいとは思えなかった。もしかして、宿泊したなら感想も違うだろうか?