レポート | 日帰り
霧島温泉郷の中で野々湯温泉は、旅館の集まる硫黄谷温泉や丸尾温泉などがある中心部からは少し離れた場所にある、自家源泉の一軒宿。男女別の浴場の他に、日帰りで利用できる貸切露天風呂がひとつある。
野々湯温泉は13万坪という広大な敷地の中に、ログハウスやコテージ、オートキャンプ場などを備え、それぞれが独立して点在するので通常の旅館のようなイメージとはだいぶ違う印象。なにせ山の中にあって全貌を見渡せないので、全体にどこに何があってどんな雰囲気なのか掴むことが不可能だった。食事は各部屋ではなく、食事処でいただくスタイルのよう。
【日帰り入浴】
男女別の浴場には、野々湯温泉の敷地内より自噴する新鮮な湯を常時掛け流しているという、岩風呂、露天風呂、天然蒸し風呂があり、立ち寄りで9:00〜21:00(宿泊者は7:00〜23:00)の時間内に利用できる。入浴料金は大人500円、大広間での休憩を含む一日入浴は1,080円となっている。
貸切露天風呂は10:00〜17:00(受付16:00まで)、大人2名まで3,000円で、1名追加ごとに500円プラスとなる。時間は1回45分。事前に予約が必要ということなので、当日9時頃に電話をして11時に予約が取れた。ちなみにこの日は日曜日。
【貸切風呂のある場所】
豪農の古民家のような野々湯温泉の母屋で受付をすると、丘の上から見下ろしてあの青い屋根がそうだと案内され、自分の車で移動することになる。
もしかして正しい行き方と違ったのかもしれないが、来た道を戻って探すものの青い屋根は見えないし案内看板もない。この辺としか考えられないよなあという廃虚の横の、車で通れるんだろうかと心配になる荒れた坂道を上って行くと、やがて開けた場所に出て、茅葺き屋根のてっぺんだけ青トタンになっている一戸建ての離れがあった。分かり難くて少々時間をロスしてしまった。
【茅葺き離れの貸切風呂】
茅葺き古民家風の離れにはちゃんと部屋もあり、露天風呂付き客室として宿泊もできるらしい。逆に言えば、宿泊者は貸切風呂として利用できないことになる。客が入ってない場合はどうなのかとか、聞かなかったしオフィシャルサイトにも記述がないのでわからない。
廊下を進んで奥に向かうと、中庭のようになっている場所に露天風呂があった。露天岩風呂の横に五右衛門風呂もある。そこを過ぎて何やら仏教的な意匠の橋を渡ると「ゆ」の文字の暖簾が掛かった脱衣所。脱衣所の奥には扉が有り、その向こうには内湯の洞窟岩風呂があった。
洞窟岩風呂はちょっと湯温が高め。ツレは入ることができたのだが、自分は足を入れただけですぐ逃げ出した。
露天岩風呂はちょうど良い湯加減。景色は何が見えるわけでもなく展望はないが、静寂な山の雰囲気でなんとなく落ち着ける空間。ちょうど目の前に居座るカエルの石像が、何のためにあるかわからないがちょっとしたアクセントになっている。
五右衛門風呂は、階段が付いているので入っていいのだろうとは思ったが、狭いし掛け湯に使う湯なのかなとも思ってしまったので、入らなかった。
実質30分程度しか時間がなかったが、一晩泊まれるならそれはそれで面白そうな気がする。何といっても独立した離れなので、本当に日常とかけ離れた時間を過ごせそう。
前払いだし別に鍵を預かったりしているわけでもないが、黙って帰っていいのか分からなかったので、帰り際に念のため電話をしてみた。そのまま帰っちゃっていいとのことだったが、何も言わず帰るのが気持ち悪いと思うなら、電話で一報入れれば良いと思う。