レポート | 日帰り
霧島硫黄谷温泉の湯を引く唯一の施設であり、300年の長い歴史を持つ霧島ホテルは、混浴の巨大な庭園大浴場で知られ、日本旅行のアンケートでも平成26年度に1位に選ばれている。泉源を14持ち、4つの泉質、豊富な湯量を楽しむことができる。
霧島ホテル前身の霧島館には、坂本竜馬が療養と新婚旅行を兼ねて訪れたといい、館内には竜馬の資料や等身大パネルが飾ってあったりする。
【日帰り入浴】
日帰り入浴の受付時間は11:00〜17:00。但し日曜祝日は混雑のため早めに終了する場合もあり、正月など特に混雑する日には日帰り営業をしないこともある。そんな時は霧島ホテルに向かう道中に、日帰り休業の看板が立てられるそうだ。入浴料は大人一人1,000円、3歳〜12歳までの子供500円。
入浴の受付はフロントで行う。その際に名前や電話番号を書かされるが、宿泊じゃないのにそこまでさせる所も他にあまりない。忘れ物などがあった場合に連絡するためと言っていたが、不審者対策のような気がしないでもない。
【貴重品ロッカー】
フロントで入浴券を購入したら、それを持って硫黄谷庭園大浴場入り口の入浴カウンターに提出する。入浴カウンターを挟んで左右に男女別の入口があり、混浴らしさを感じさせない造りとなっている。脱衣所は棚に籠が置いてある昔ながらのタイプで、最近増えたロッカータイプではない。脱衣所の隅に車のキーが入る程度の小さな貴重品ロッカーが置いてあって、こちらは無料だが、車のキーやスマホや財布など色々あると入りきらない。脱衣所入り口のすぐ外側に男女ともコインロッカーが置いてあるが、こちらは入れたコインが使用後戻るタイプではなく、100円がそのまま吸い込まれてしまう有料ロッカー。安い方でもない入浴料の割に、ちょっとケチ臭いと感じてしまう。
【硫黄谷庭園大浴場】
霧島ホテルみたいな大きなホテルの混浴で他に誰もいないことなどまずないから、最初から写真を撮ることは諦めていたが、そもそもカメラを持ち込むことは禁止されていた。プールのような大きな風呂の場合、他の入浴客がいても写真を撮ってしまうことは悪意がなくてもやってしまいがちで、最初からカメラ禁止にすることも致し方ない。
男女共にまず男女別の内湯を通り、体育館のような混浴ゾーンに出る。男女別ゾーンは女性の方が男性より3倍くらい大きい。女性ゾーンから混浴ゾーンに出るところに、バスタオル着用のオススメが書いてあったらしいが、ただ、これもちょっとケチ臭いことにバスタオルのレンタルは有料なので、女性は身体に巻く用のバスタオルを1枚余分に持って行った方が良い。但し、硫黄の臭いがなかなか消えないのは覚悟。旅行中一緒に放り込んだ衣類も被曝、数回洗っても臭いが取れず困った事態に。
混浴ゾーンは、硫黄泉のプールのような広大な湯船の周りを、明礬泉や鉄泉などのいくつかの小さな湯船が取り巻いているといった構造。他に入浴客がいても、数人程度じゃいるんだかいないんだかわからないほど。他人が気になるほどなら、よっぽど混雑している時だろう。
巨大な硫黄泉のプールは、ただだだっ広い湯船というわけではなく、場所によって深さも違うし、打たせ湯があったり噴水があったりと変化もあって、わくわくするような楽しさがある。
これだけ大きく面白みのある風呂だから、お父さんお母さんも一緒だし子供が大はしゃぎしそうだが、残念ながらそうはなりそうもない、というのは、とにかく湯が熱いこと。大人だって熱くて長く入っていられないのか、硫黄泉の巨大湯船にはほとんど人の姿は見られない。なんとももったいないことである。自分も結局、ほとんどの時間は周りにある黄金風呂やひのき風呂で過ごしていた。もうちょっとぬるくできないもんだろうか。