レポート | 日帰り
混浴露天
半出来温泉はマイナーなわりには地元の入浴客で賑わっている。周りには何もない一軒宿だ。国道沿いに看板はあるが、ぼおっとしてたら見過ごして通り過ぎてしまう。
さて、登喜和荘の建物はちょっと大きな普通の民家かと間違うような宿である。少し不安に思いながら玄関に入るが、呼べど叫べど誰も答えてくれない。人の姿も見えない。どうしたものかと考えていると、奥からおばさん数人の声が近づいてきた。宿の人かと思い聞いてみると、違うと言う。話を聞くと、宿の人もおばさん達と一緒に温泉に入っていたらしい。なんとまあ、アットホームな。「そこにお金置いて入っちゃえばいいのよ〜」と言われ、そうするかと思ったら宿のおばさんが出てきて、無事に入浴することが出来た。
なんというか、宿の中もまるっきり普通の民家である。廊下を奥に行くと、女性用内湯、その奥に男性用内湯があった。露天風呂へは、内湯を通って外へ出る。少し離れているので裸で歩くのは気恥ずかしい気もするが、畑の真ん中といった風情でも巧みに目隠しされていてどこからも見えるわけではなく、堂々と行けば良いだろう。
コンクリートに埋め込まれた四角く組んだ木枠が露天風呂の湯船となっている。ふたつに仕切られた片側には樽がふたつ並んで置かれており、特徴的だ。透明な湯は適温で、ゆったりと落ち着かせてくれる。景観はいいとは言えないが、山の湯とは違うのどかさに、たまにはこんなのもいいかなと思わせてくれた。