レポート | 日帰り
日本湯小屋物語は家族湯専門の日帰り入浴施設。日当山温泉郷で最も老舗なんだとか。400円で入れる内湯だけのシンプルな家族風呂から、ちょっと豪華な内風呂にTV付きの休憩室がある家族風呂、休憩室と露天風呂が付いたハイグレードタイプまで揃っている。
【料金】
一番部屋数が多いのが、長屋スタイルの内風呂だけの一般家族風呂。全部で8室ある。料金は平日400円、土日祝年末年始500円。銭湯代わりに利用できる気軽な料金が嬉しい。だいたいこのスタイルの家族湯の相場は300円〜500円くらいなので、中堅クラスといったところ。
ちなみにこれは一人の料金ではなく、一部屋の料金。つまり二人で利用してもこの値段ということだから、銭湯よりも安く利用できることになる。日当山温泉郷は家族温泉発祥の地だそうで、独特な九州家族湯スタイルの原形がこれになる。
「家族風情風呂 枕草子」と名付けられた、広めの内風呂と休憩室が付いた部屋は4室あり、料金は平日1,500円、土日祝年末年始1,700円。
休憩室、内風呂、露天風呂フルセットの「家族露天風呂 お伽草子」は全部で4室。料金は平日1,800円、土日祝年末年始2,000円。
制限時間をどこにも見た覚えがないのだが、恐らく常識的に60分くらいだと思う。
【一般家族風呂】
九州スタイルの家族湯を経験しておきたかったので、迷わず400円の一般家族風呂をチョイス。
料金は自動販売機とかではなく、受付で普通に支払う。一般家族風呂は一の湯〜十の湯(四と九が欠番)まで番号が振られているが、料金支払い時に部屋を選ぶのではなく、どこでも空いている部屋に入っていい。だが入室中の部屋に札が掛かっているわけじゃないのでどうするかと観察してみると、扉の横に窓があって利用中の部屋だけどうやら窓が閉まっている。冬もそうなのかはわからないが、とりあえず窓が開いていれば空室だということはわかったので、七の湯を選んで入った。逆に利用後は窓を開けて出るのがルールとなのかと想像する。
【シンプルな浴室】
ドアを開けるとすぐ脱衣所。空調は窓枠はめ込み型のエアコンが取り付けられてあった。夏場には扇風機も欲しくなりそうだが、さすがにそこまでは’置いていない。
全面タイル張りの浴室は3畳ほどの広さ。凝った意匠もなく味気ないようでいて、しかしそれが逆に趣になっているようにも感じる。
湯船は二人でいっぱいなサイズ。壁際にあるので、そのサイズより狭めに感じてしまうのはマイナスポイント。シャワーは付いているが、この料金だからまあ当然のことシャンプー・石鹸の類いは置いてない。
湯は入替え式ではなく、ずっと蛇口から出っ放しになっている掛け流し方式。結構熱めの湯で、水で薄めないととても自分は入れる温度じゃなかった。泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、ラドンを含有しているらしい。無色透明無味無臭、さらに水でがんがん薄めてしまったから、これといって特徴的な温泉感は感じなかったが、飾り気のない質素な浴室の雰囲気から効能が高いような実感も湧いてくるから不思議。
日当山温泉には同じスタイルの家族湯がまだいくつもあって、料金300円でここよりもっと渋いところもある。ここに来るまではさほど興味も引かれなかったが、案外面白かったので、また鹿児島に来ることがあったら他の所も行ってみようと思う。
※このレポートの貸切風呂はなくなり、個室風呂のみになったようです。