レポート | 日帰り
西郷隆盛がよく通った温泉地であり、鹿児島の奥座敷と言われる日当山温泉には、家族湯専門の入浴施設が何軒もあって、実際隣り合ってたりもするから、文字通り軒を連ねているような状態。優湯庵もそんな日当山温泉の中にある一軒。
【施設】
優湯庵には本館3階に露天風呂付き客室4室、露天風呂付き離れ3棟、敷地内にある優湯亭に露天風呂付き離れ10棟、そして日帰り入浴専門の家族風呂11室がある。
優湯庵の家族風呂は24時間営業。日帰り入浴料は、平日60分1,300円と1,500円。土日祝は300円アップ。リニューアル特別価格ということで通常料金より200円安くなっているが、リニューアルしたのは平成22年3月ということだから、今後いつ通常価格に戻すのか戻さないのか、全く予想できない。24:00〜9:30は深夜料金となり、60分1,000円〜4時間以上3,800円。
家族風呂以外に、露天風呂付き離れにも平日のみ日帰り入浴は可能で、時間は11:00〜15:00(最終受付14:00)、60分3,500円。宿泊の都合で利用できない時もある。他に本館の男女別大浴場も立ち寄り可能で、時間は9:30〜24:00、料金は平日500円土日祝600円。
【長屋スタイルの家族風呂】
本州で貸切風呂といえば1室か2室、4室5室あれば多い方という感じだが、日当山温泉では10室以上は当たり前という感じ。平屋のアパートかと見間違う個室の扉がずらっと並ぶ長屋みたいな家族風呂が、日当山スタンダード、というか鹿児島スタンダード?、というか熊本など他の県でも見かけるから九州スタンダード?、な家族湯スタイルのようだ。
料金の支払いは自動販売機で、利用したい部屋のチケットを買って受付に提出する。お湯は完全入替え制で、入室してから自分でお湯を入れることになるが、これも九州の家族湯でよくあるシステム。
入室した部屋のドアノブに、ホテルの「起こさないで下さい」札みたいな入浴札をぶら下げ、入室中の部屋がひと目でわかるようになっている。といっても、入室中の部屋は自動販売機で買えなくなっているから、あまり意味があるとは思えないが。
【家族風呂105号室】
11室ある家族風呂はそれぞれデザインが違っており、選ぶのに頭を悩まされる。111号室以外は全て湯船がふたつあるタイプ。107号室と108号室だけ恐らく面積が広いのか料金が200円高い。111号室はひとつの湯船に寝湯も組み込まれた変わり風呂。どれにするか悩んだが、結局一番似たタイプが多いデザインの105号室にしてみた。近所に住んでいるなら何度も来て違う部屋も楽しみたいところ。
部屋には4畳の畳敷きの個室とトイレも備わっている。個室にはテレビもある。
浴室に入ってみると、公式サイトの写真なんかを見て感じた大きさと違い、あれ?っと違和感を感じるほど思ったより狭い。だいたい四畳半ほどの広さだと思うが、違和感の原因は湯船や窓が全体に小作りになっていること。窓は小さいうえ上端が胸の辺りよりも低い高さしかない。写真では広く見せる効果があるかもしれないが、実際のところまるで自分の身体が一回り大きくなったような錯覚を覚える。
奥にあるタイル張りの楕円形湯船は、ジャグジーになっている。大きさはひとりでいっぱい、無理して二人入れることは入れるが、密着することになる。
手前にある四角い湯船は、だいたい家庭用の湯船くらいの大きさ。ただ、深さはあって湯が溜まるのに時間を要した。足を伸ばせるし、二人でもきついというほど狭くはない。しかしもうちょっと浅めの方が寛げる感じになると思う。
湯は熱めだが、湯が完全入替え制だから遠慮なく薄めて構わないのは、このシステムの良いところ。
入浴が済んだら湯を落として部屋を出る。入浴札を受付に返して終了だが、受付に人がいないこともあるらしく、受付の前に入浴札入れが備えてあった。