レポート | 日帰り
2012年の夏にオープンしたばかり。場所は谷川温泉の最奥部、湯テルメ谷川への分岐を過ぎて突き当たりのY字路を谷川沿いの登山口のある左側ではなく右側に坂を上るとすぐに見える。僅か2室の貸切専門日帰り入浴施設が「貸切かけ流し湯 ゆう」。
正直なところ、出来立ての頃に「ゆう」の公式サイトを見て、広くもなさそうな内湯に極狭の露天風呂で、特別興味をかき立てられる特長は無いように思えた。それが最近、庭に張り出したウッドデッキの先に露天風呂が追加され、これだったらまあ行ってみてもいいかなと思うようになった。
しかしあくまでも何かのついでというつもりで、この日も実は他の目当ての場所が休日だったのでそれだったら行ってみようかという、どちらかといえば消極的な選択だったのである。ところが思ってもみなかった事に、そんな最低ラインの期待値を良い方に覆されることになる。
予約しなくても空いていれば利用できるが、念のために電話を入れておいた。ただ、予約といっても前日とかではなく到着30分ほど前に。平日なので特に混んでる様子もなく、到着したらすぐに利用できるとのこと。2室しかないので休日などはもっと前もって予約しておいた方がいいかもしれない。
1年も経っていない建物はまだ新しく、こざっぱりとして綺麗。案内された部屋に入ると、6畳ほどの部屋となっており、その半分程が畳の敷かれた休憩スペースとなっている。個室内にはウォシュレットのトイレも完備。
まさか部屋付きとは思ってなかったので、それまでの想像とはがらっと印象が覆った。これで2名利用1時間1,600円、但し5月からドリンク付きとなって2,100円となる。さほどたいしたこともない風呂にたったの45分で貸切料3,000円、加えて日帰り入浴料まで徴収される所が多いのに、コミコミでこの料金は極めて良心的。時間も3時間までの利用が可能で、30分ごとに500円割増となる料金体系。3名以上の利用は2名利用料金より1,000円〜1,100円高くなる。
浴室は、決して広くはないが、想像していたよりゆったりめ。ふたり同時に身体を洗っても狭苦しさを感じないだけの広さは確保されている。これより狭く露天風呂も付いて無い貸切風呂にもっと高い値段で入ったこともあるので、コストパフォーマンス的にはかなり良いと感じる。
内湯のサッシの外には小さな露天風呂。ふたり入るといっぱいいっぱいになってしまう。囲まれ感も強く開放感は全くない。その露天風呂からさらにウッドデッキを渡った先にもうひとつの露天風呂。湯槽は家庭用浴槽程度の大きさだが、周りが広い分オープンな気分になれる。
高い塀に囲まれているから堪能できるような景色はないし、そもそも立地的に見晴しのいい場所でもないが、ウッドデッキを延ばしてその先に小さめの湯槽を配置したことによって、岩組みの陳腐な湯槽をただ庭に作るよりずっと奥行きのある広がりを感じられるようになったと思う。
谷川岳や白毛門など、この辺りの山に登った帰りには定休日じゃなければ必ず帰りに日帰り入浴施設の湯テルメ谷川に寄るのがお決まりコースとなっているのだが、二人で考えた場合は入浴料が1,100円となる。だったら差額1,000円払って貸切でちょっとした個室のついたこちらも充分選択に値すると思った。というか、今後二人で谷川岳辺りの登山をすることがあったら確実にこちらを選ぶと思う。