レポート | 日帰り
谷川岳の西側の沢を集めて流れる谷川沿いにある谷川温泉。その最奥に、全室・全風呂から谷川岳を望む、まさに谷川岳を遠望するために造られたような宿の水上山荘がある。
そのこだわりは、絶景の谷川岳と満点の星空を眺め入浴できるよう、1cm単位で角度を調節したという椅子を露天風呂の中に造るほど。
【水上山荘の温泉・風呂】
水上山荘の客室は全17室。そのうち8室が露天風呂付き。
浴室は、男女別内湯と男女別露天風呂。内湯には古代檜が使用され、女性大浴場には檜風呂に加え岩風呂がある。露天風呂は男性の方が大きいが、女性用には上下二段の湯槽が設けられている。
これら男女別の浴場の他にもうひとつあるのが、貸切展望露天風呂。宿泊者は1回40分2,500円(税別)で利用できる。
水上山荘は3本の自家源泉を持っており、客室露天風呂や貸切風呂も含めて全てにこの温泉が使用され、源泉100%掛け流しとなっている。
【日帰り入浴について】
水上山荘では貸切風呂だけが日帰り入浴可能。水上山荘のサイトで貸切風呂の利用可能時間は11:00〜22:00となっているが、当日事前に電話してみるとこの日予約が取れるのは11時か12時と言われた。以前にも団体が入っているからと日帰り入浴できなかったこともあったので、必ず事前に電話で確認した方が良い。
料金は40分で3,500円(税別)となる。これは人数に関係なく、他に入館料もいらなくてこの値段。貸切風呂の相場としては高くない感じではあるが、40分という短めの時間を考えると、気持ちとしてはもう一声安くしてもらいたい気もする。
【ジャグジー付貸切展望風呂】
貸切風呂は全体に洋風なデザイン。部屋に入るとまずそこそこ広めの休憩室があるが、フローリングにテーブルと椅子が置いてある。自分はどちらかというと畳でごろんと寝転がれる方が好きだが、そこは人それぞれの好みであるし、どうせ40分しかないので部屋で寛いでいる時間はほぼない。
脱衣籠の置いてある脱衣スペースには洗面台もある。蛇口がふたつあって二人同時に身支度ができるようになっている。コンセントも左右にふたつあるが、ドライヤーはひとつしかない。
洗面台に置いてあるケア用品は、男性用スキンミルク、男性用スキンウォーター、男性用シェーブクレンジング、そしてベビーパウダー。女性用のスキンケアが置いてないのは、どうせ女性は持参しているだろうという割り切りだろうか?
【貸切展望風呂の浴室】
脱衣籠が置いてある先の扉を開けると、広めの浴室が現れる。湯槽は階段で3段分高くなった窓際に、レジャーホテルにあるような円形のジャグジーと、長方形の檜の湯船が並んである。
浴室の雰囲気は洋風で、ちょっと温泉感は乏しい気もする。しかし豊富な自家源泉を生かして、薄めず循環もしないのはもちろん、シャワーまでが温泉という実は贅沢な仕様だったりする。自分はジャグジーでも悪くないと思うが、ツレはもっと和風だったら良かったのにと言っていた。
窓は壁一面の大きさがあり、蛇腹構造のためほぼ全面開ききることができるので、露天風呂の風情で入浴を楽しめる。
窓からは正面に谷川岳を望めるのだが、この日は降雪もあって完全に雲の中。この時期、東京から高速道路で新潟方面に向かうと水上に近づく頃、他の山々よりひときわ真っ白く雪を被った谷川岳が見えるが、そんな景色を見ながら風呂に浸かることを期待していたので、ちょっと残念。
窓に下がる氷柱もでかくて山を見るには邪魔なので、3月くらいの移動性高気圧に覆われた天気の良い日なんかがベストなタイミングかもしれない。
【40分は短い】
この日は天気が悪かったが、もし見晴らしのいい日だったら40分という時間はかなり不満に思うところ。
恐らく、1時間毎に一組の利用と考えて清掃の時間を入れると40分の利用時間になるのだろうが、利用する側からしてみれば身支度の時間を入れると湯に入っていられる時間は30分もないわけで、やはり短過ぎると感じる。せめて短くとも60分は欲しい。