レポート | 日帰り
万座道路からゲレンデに入って行く道路を突き当たりまで行くと、湯の花旅館がある。鄙びた宿とゲレンデのリフトが隣り合って共存している姿に妙な違和感を覚えるが、この古と新が混沌と同居している雰囲気が万座らしいと言えば万座らしい。
湯の花旅館の目の前にはスキー場のゲレンデがあるからスキーにはとても便利な立地なのだが、万座プリンスホテルのようにいかにもスキー場のホテルって感じと違い、湯の花旅館はカラフルなウエアの若者でがやがや賑わうイメージとはほど遠い。一応玄関内側は土間が広くとられていてスキー場仕様を感じるが、全体的には湯治宿そのもの。スキーシーズンにはどんな雰囲気になるのか見てみたい気もする。
【浴室】
湯の花旅館には男女別の内湯と、混浴露天風呂がひとつある。内風呂は洗い場の床も湯槽も全て木を使った、古めかしく趣のある造り。風呂だけ見れば完全に湯治場のそれだ。
サルノコシカケを入れた湯溜めを通って源泉が湯槽に注がれており、いったいどんな効能があるのかは知らないけどなにやらものすごく効きそうな気はしてくる。この湯溜めが糞熱い万座の湯をちょうど良く冷ます役割も担っており、湯槽では絶妙な湯加減になる。この後で万座の湯をいくつか回ったが、ツレは湯の花旅館の内風呂が一番良かったとえらく気に入っていた。
【混浴露天風呂】
混浴露天風呂はちょうど女性内湯の隣にある。露天風呂には脱衣カゴや棚の類いは置かれてない。女性内湯の脱衣所の窓から露天風呂の様子が見えるので、そちらで着替えてタイミングを見計らうのが良いだろうと思う。
内湯と同じく青みがかった乳白色の湯が満たされている露天風呂は、しかし激熱。ホースで水が投入されているものの、全く熱さに追いついていない。足を入れてじっと動かないでいても、熱さに負けてすぐに逃げざるをえない。これだけ熱けりゃ肌を若返らせるヒートショックプロテインもたくさん生成されるかななんて考えるも、自分は尻まで、ツレでも胸下まで短い時間浸かるのが精いっぱいだった。冬だったら積もった雪を投入して温度調整も楽にできそうかなと思うが、今はホースの水と湯もみで温度を下げるしかなく、あまり長い時間いると他の客が来づらいかなとも思ったので、早々に内湯に引き上げることにした。案の定、内風呂にいた男性は女性の声が聞こえたので遠慮したのだそうで、早速露天風呂に向かって行ったが、しかしすぐに引き返してきて「熱過ぎる〜」とひと言。
【平日でも賑わう】
平日だから万座温泉をうろつく人も少ないのだが、何故か湯の花旅館だけは次から次へと客がやってくる。ところが風呂は全く混んでなかったので、休憩が目的なのだろうか。隣の松屋ホテルには一人も客がいなかったのに、湯の花旅館の何が特別なのか、ちょこっと立ち寄り湯をしただけでは解明できなかった。泊まりに来てみれば何かわかるだろうか。