レポート | 日帰り
旅館中の湯を過ぎて橋を渡った右側に、旅館というより旅籠と呼びたくなる味のある外見の「滝の湯旅館」がある。いかにも旅行に来たという気分が盛り上がるノスタルジックな外観だ。
西山温泉の中で唯一はっきり混浴と明記してあるのがこの「滝の湯旅館」。他はどうやら気を利かせて貸切利用にしてくれているようだが、「滝の湯旅館」では露天風呂の入口に混浴であることの注意書きが掲示されていた。なお、19時から21時までは女性専用時間となっている。
【混浴露天風呂】
男女別内湯が並んだ右の扉を出ると、川に面した露天風呂がある。広い空間に小ぶりの湯船がちょこんと配置され、空間の大きさと湯船のサイズが少々アンバランス。
脱衣所は棚があるだけで目隠しはなく、男女にも分かれていない。内湯との距離はさほどないので、女性は内湯の脱衣所で着替えてタオル巻きで廊下を渡って出てくるのが現実的かもしれない。この日は他に入浴客はいなかったので露天の脱衣所でも良かったのだが、足元に雪が積もっていたし寒かったので結局内湯で着替えることにした。
露天風呂に関して注意を受けていたのが、熱いと驚く客が多いが表面が熱いだけで掻き混ぜれば入れる温度になる、ということ。湯を触ってみるとほんとに無茶苦茶熱い。湯掻き棒が置いてあったのでそれで掻き混ぜてみるが、それでもかなり熱め。ただ、手足が冷えていたためもあったのだろう、我慢して入ると慣れれば我慢できないほどではない。しかし熱い湯は滔々と注がれ続けているので、ちょっと手を休めると表面がすぐにすげー熱くなってしまう。常に湯掻き棒で掻き混ぜながらの入浴となった。
露天を楽しんだ後、内湯に戻る時にツレがタオルも巻かずにそのまま戻って行くから、吹いてしまった。いつもはそんなことしないのに、これは「滝の湯旅館」だけでなく西山温泉全体に言えることだが、なんだかいちいち細かいことは気にならなくなるような雰囲気があるのだ。
【内湯】
内湯は女性側の湯がまだ溜まっていないので男性側を使っていいと言われていた。貸切にするからとか混浴でもいいならとか断りが付くわけでもなく、アバウトというかなんというか、男女別だの混浴だの貸切だのどっちだっていいじゃん気にすんな、って感じのおおらかさ。
もちろんこちらも確かめようなんて少しも頭に浮かぶことなく、なんの疑問も抱かずに男性用の内湯で一緒に入浴を楽しんだ。実は帰ってから写真を見て、男女別の筈なのになんで一緒に入ってるんだっけ?と経緯を忘れてしまっていたほど、それが自然なことだった。