レポート | 日帰り
山間の鄙びた風情漂う西山温泉は、かつて柳津温泉に源泉を供給していたほど湯量豊富で8つの源泉が湧く地とは思えぬほど、観光地化されずに垢抜けない昔のままののどかさを残している。温泉地というよりは農村のような落ち着ける空間に包まれ、時間を忘れて滞在したくなる雰囲気がある。
近ごろの混浴には色々問題があるためか不信感のこもった色眼鏡で値踏みされるような印象を受ける所さえあるが、西山温泉ではそんなことは一切なく、どこも暖かく迎え入れてくれるのが嬉しい。
【日帰り入浴料】
「旅館中の湯」はその名の通り西山温泉の中心部にある。建物も新しく、西山温泉の中では最も一般的に宿泊しやすい雰囲気。日帰り入浴は本館400円と別館800円で別料金になっていて、両方入る場合は1200円かかってしまう。
混浴がある別館の浴舎は、「旅館中の湯」の本館正面横の並びにあって一度外に出なければならない。浴舎には内湯と露天風呂がそれぞれひとつだけなので基本混浴だが、日帰りで訪問しても家族単位に割り振ってくれているようで、特に申し出なければ貸切として使用させて貰えるようだ。
男女入替えと紹介されている場合もあるので、混雑具合などによってその辺は臨機応変に変わりそう。システムとしてきっちり線を引いてしまわずに済むのは、のどかな西山温泉の特徴かもしれない。
【混浴浴舎】
浴舎は和風の重厚な意匠で一見古くからある建物なのかなと思うが、中に入ると真新しく清潔。浴舎の中は広々してその大部分が浴室となっているので、内湯でも三方に大きく窓が開き明るく開放的。広さもたった二人で使うにはもったいないほど。湯船には若干熱めの湯がなみなみと溢れている。
脱衣所から内湯に入って右側の扉を開けると外に露天風呂がある。そこそこ大きい湯船なのだが、周囲が開けていないので大きさは実感し難い。内湯よりも温度は低めで、熱い湯が苦手な人は露天風呂の方が入り易い。ただ、この日は大粒の雪が降っていて肩に当たると冷たい思いをしたので、内湯の方がちょうど良いと感じた。
内湯の源泉は中の湯、露天風呂の源泉は荒湯で、それぞれ異なる源泉が利用されている。今回は男女別内湯がある本館には別料金ということもあって入らなかったが、本館ではさらに別の源泉を使用しているらしい。できればゆっくり西山温泉に滞在する計画にして、両方をじっくり堪能するべきだろうと思う。