レポート | 日帰り
肘折温泉というと第一に石抱温泉を思い浮かべる温泉マニアが多そうだが、その石抱温泉を所有しているのがゑびす屋。肘折温泉郷のオフィシャルサイトには日帰り温泉のページに石抱温泉が紹介されていたので管理を任されているのがゑびす屋さんなのかと思ったら、電話で話を聞いてみると石抱温泉はゑびす屋の露天風呂という位置づけであるらしい。
【秘湯 石抱温泉】
で、この日、石抱温泉は掃除していないので衛生上の問題から入浴はしないでくれとのことだったので、見学だけして来た。このあたりの事情はネットで散見される昔とは違うかもしれないが、保健所から何か言われたのかな。
日帰りでも前日以前に連絡をくれれば掃除しとくような口ぶりではあったが、宿泊もせずさすがにそこまで図々しくはなれないので、日帰りで入浴できるかは運次第と思った方が良さそうだ。確実に入浴したいなら宿泊すべき。
【ゑびす屋の日帰り料金】
石抱温泉の連絡先というイメージが強いゑびす屋だが、内湯にもしっかり混浴の浴室がある。そして日帰り入浴も可能。入浴料は300円と湯治場らしいひと昔前の料金のまま。
【駐車場】
肘折温泉は古くからの湯治場らしく狭い道に旅館が密集している為、駐車場を持つ宿も少なく、車で温泉街を移動するのは現実的でない。温泉街の周囲に駐車場が数箇所あるので、車はそちらに停めて歩いて温泉巡りをするのが効率が良い。
肘折いでゆ館前の駐車場に車を停めて歩いて向かうと、ゑびす屋はちょうどいでゆ館とは反対方向で一番遠いエリアになったが、温泉街はさほど広くないので歩くのが苦になるほどではない。
【混浴内湯】
ゑびす屋館内には混浴と女性専用の二箇所の浴室がある。女性専用とは別に大浴場にはふたつ扉があり、それぞれ「殿方浴室」「婦人浴室」と掲示されているが、札には付足したように混浴ともぶら下がっている。要は脱衣所が男女別なだけで、浴室は混浴のひとつだけとなっている。廊下の奥には女性専用の浴室があるが、男性は混浴しか選択肢はない。
混浴の浴室は大浴場と言うにはこじんまりしている。脱衣所が男女別であっても、女性にはちょっと厳しい感じ。洗い場には一応男性側と女性側それぞれにシャワーがあるが、シンプルな造りの浴室ゆえ目隠しになるようなものは何もない。大抵の宿なら完全に男女別に分けてしまいそうな浴室なのだが、混浴として残してあるのはやはり肘折温泉が湯治場として栄えたという歴史の名残であり、宿の良心なのだろう。別に時代が進んだからといって、一人では温泉に入れない事情を抱えた人が減るわけでもなし、必要な人にはいつになっても必要である事に変わりない。なんてことをつい考えてしまった。
レジャーとして温泉に行くと景色の良い露天風呂とか大きな大浴場とかに目が行きがちだが、たまにはこういった余計なものが何も無くシンプルに湯に浸かるだけというのも悪くない。と思いには浸ったものの、しかし湯が熱かったので湯にはあまり長く浸かってられなかったのではあるが…。