レポート
硫黄島は、鹿児島県の枕崎から南へおよそ50kmに位置する、人口100人強の小さな島。三島村の三島のうち真ん中にある。二次大戦の激戦区、東京都の硫黄島と区別して、薩摩硫黄島と表記されることも多い。
島の東にある硫黄岳は活火山であり、今も活発な噴気活動を継続している。噴火警戒レベルはほぼ常時レベル1となっている。レベル2の霧島の新燃岳よりはマシだが、山頂部の崩落も起きており一般の入山は禁止されている。
情報収集は三島村役場で。電話番号は099-222-3141。村内ではなく鹿児島市内、フェリー乗り場からもさほど遠くない場所にあるので、電話だといつもいくつか聞きそびれてしまうような口下手な人など、鹿児島入りしてから直接行って疑問を解消するのも良い。
【交通】
硫黄島へ渡る手段は、村営フェリーかまたは新日本航空が運行するセスナ便の二種類。
-- セスナ便 --
セスナは週2往復の定期便で、毎週月曜と水曜に運行される。但し、運航日前日の正午までに予約が確定した場合のみ運行なので、事前予約は必須となる。
所要時間は鹿児島空港から約50分で、運賃は20,000円。
-- フェリーみしま --
鹿児島港の南ふ頭から、だいたい1日おきに定期運行されているが、村内の行事などによってイレギュラーとなることもあるので、出入港予定を事前に確認しておく必要がある。また、気象状況により欠航もあり得るので、出航予定当日7時から三島村役場の電話 099-222-3141 で運行状況の自動案内がある。
チケットは、出港当日の乗船前に購入することになり、団体でもなければ事前に予約の必要はない。満席になることはないのか電話で聞いてみたが、絶対乗れると断言された。料金は二等船室で片道大人3,600円。
航路は、竹島-硫黄島-黒島の順に寄港して往路に1日、黒島停泊して翌日逆順に復路を戻る。よって最低でも1泊は必要。枕崎定期航路も月数回運行されるが、停泊場所が本土の枕崎になるだけで、二日で一往復なのは変わらない。但し枕崎定期航路は硫黄島着時間が早く、発時間が遅いので、島滞在時間が数時間長く取れるメリットがある。
4月の村内入学式の時など、たまに三日で一往復のスケジュールとなることがあるが、その場合は二泊必要になるものの、丸一日ゆっくり温泉三昧できるので、そこを狙うのも一興。ダイバーや釣り客など三泊以上滞在する人もいるようだが、他の観光客がいない日ができるメリットはあるが、温泉だけが目的ではさすがに時間を持て余すかもしれない。
フェリー内には食堂が無く、あるのはカップ麺の自販機だけ。ちょうどお昼時は船上になるが、弁当を持ち込まないとカップ麺で凌ぐしかなくなる。
【宿泊】
-- 民宿 --
島内にある宿泊施設は民宿のみ、2016年現在、全部で5軒だけ。
- 民宿ガジュマル 09913-2-2105
- 民宿硫黄島 09913-2-2155
- 島宿ほんだ 09913-2-2102
- マリンハウス孔雀の里 09913-2-2028
- みゆき荘 09913-2-2116
オーナーの都合や体調などで休業する場合もあるので、必ず島に渡る前に予約すること。どうせ観光客は少ないだろうと甘く見ると、港湾関係や電気、公共事業関係の作業員で満室の場合もある。実際に自分は二軒に断られ、三軒目でやっと予約が取れた。
宿泊料は一泊二食付きだいたい6,500円くらいで、宿による違いはあまりないらしい。お昼の弁当をお願いするとだいたい500円くらい。
-- キャンプ --
テントサイトもある。島の内陸側に冒険ランドというアウトドア施設があり、バンガローやテントサイトがあるらしいのだが、管轄は鹿児島市教育委員会のようで実質的に教育関係の行事にしか使用できないらしい。一般人が天泊しようと思ったら、港からほど近い場所にある三島開発総合センターの裏手にあるテントサイトが唯一の選択肢。島内では食料の調達が困難なので、登山のように全て自前で持ち込む必要がある。ジュースの自販機はいくつかあるが、種類は少ないし売り切れになっている品もあった。
【島内の移動手段】
-- 徒歩 --
坂本温泉まで歩きでも1時間ちょっと、東温泉なら30分〜40分。徒歩でもそれなりに動けはするが、通常実質半日しか観光する時間がないので、なんらかの移動手段は必要になる。
-- レンタカーは無い --
島内にレンタカー屋のようなものはない。昔は民宿で車を3,000円程度で貸してくれたようだが、今はやめてしまったそうだ。火山性ガスによりちょっとした傷でも放置するとすぐ錆が広がるため、本土に送って修理しなければならないとのことで、傷がついた場合の請求で客と揉めるのが嫌になったのだとか。
-- レンタサイクル --
三島開発総合センター内の観光案内所にレンタサイクルがある。島内は結構な坂道だらけだし、自転車は辛いんじゃないかと思うが、電動自転車が導入されているのでその心配はいらない。8台くらいあるらしいので、借りられないということはそうそうないと思う。しかし、東温泉や坂本温泉への坂道は結構な急坂で、上りは電動自転車でもきつい。まあその箇所だけ降りて押せばいいだけのことではあるが。
-- 自車持ち込み --
車中泊派なら車ごと乗り込もうかと考えるかもしれないが、自動車航送運賃は往復で5万円近くにもなり、硫黄島程度の広さでは全く割に合わない。