レポート | 日帰り
新清館は大扇別館より少し手前にある。源泉は同じく中の湯。新清館の建物は道路を挟んで両側に建っており、二階部分の渡り廊下で繋がっている。
壁面の古さから奥の湯に向かって左側の建物の方が若干新しそうに見えるが、便宜上ここではそちらを新館、右側の建物を旧館と呼ばせてもらう。実際には新館旧館の区別は無い。
新清館の玄関は旧館側にあるのだが、大扇別館から戻る方向から来たので先に新館側の通用口が目に入ってしまい、そちらで呼べども返事はなく、正しい玄関に気付くまで時間を無駄にしてしまった。
【日帰り入浴料】
新清館には男女別の内湯と混浴の大浴場がある。露天風呂は無い。男女別の内湯は新館側、混浴の大浴場は旧館側にある。日帰り入浴料は一人400円。
【混浴浴室】
混浴の大浴場に向かうと突き当たりの右側が男子脱衣室、左側が女子脱衣室に分かれる。脱衣所は完全に男女別だが、脱衣所から浴室に入るとそこはひとつの大きな浴室空間となり、アプローチ的な男女を隔てる物の一切ない混浴空間にいきなり放り出される感じ。
新清館の混浴浴室は旅館の外観イメージから想像するよりはるかに大きかった。窓も広く浴室内は明るいため、極めて開放的な空間だ。窓は外から見えないよう上部以外は磨ガラスになっている。
脱衣所から浴室に入ると、右側と左側に分かれてシャワーも付いた洗い場がある。それぞれ二つずつ蛇口があるが、ちょうど脱衣所の位置関係から自然と男性用女性用に分かれそうだ。
浴室の中央には太い柱、その奥にくの字に曲った浴槽。これらの配置が心理的に男女の空間を分けているので自然と距離ができ、混浴でも女性が不快感を感じるような事態は起き難い感じはする。
光の加減や湯槽のタイルの色などの影響があるだろうが、新清館の湯は茶色に見える。温度は熱過ぎず良い感じ。浴槽より洗い場が広いためか、やたら大きく感じてしまう浴室もなかなか面白味がある。事前に調べた段階では平凡な内湯かと思っていたのだが、実際に受ける印象は全く違って意外に楽しめる空間であった。