レポート | 日帰り
奥利根には温泉目当てでなく奈良俣ダムを見に何度か足を運んでいるが、数年前にダム目当てで来た時「貸切露天風呂」と書かれたのぼり旗を見かけて存在を確認したのが湯元館。これまで何度も来ていて気付かなかったのだが、ずっと昔からあったのか、ここ数年前に営業を始めたのか、どっちだろう。聞いてみれば良かったのだが、すっかり忘れてしまった。
巨大なロックフィルダムが眼前に現れてからすぐ洞元荘を過ぎ、龍洞の少し手前で右の細い道に折れると、やがて手前に立てられた「ラブラブプラン貸切露天風呂」と書かれたピンクののぼり旗と全くそぐわない、古民家風のクラシックな建物が見える。これが湯元館。男女別の内湯と貸切の露天風呂がひとつ。宿泊はやってなく、日帰り入浴専門。入浴料は貸切露天風呂+内風呂が一人1,000円、内風呂のみだと一人800円となっている。内風呂は混んでなければ特に追加料金なく貸切にしてもらうことも可能。
【貸切露天風呂】
愛想の良いおしゃべりな女将さんに入浴料を払ってから、まずは露天風呂へ。利根川の支流である木の根沢のすぐ横に露天風呂はある。外に出て渓流沿いにゆるやかに下る小道を行くと突き当たりに小屋があり、3畳ほどのちょっとした休憩のできる脱衣所と岩組みの湯槽を備えたそこが貸切露天風呂となる。
源泉は75度ほどあるそうで、ホースから水を加えているがそれでも湯槽では45度の高温。1秒ほど足を浸けただけでアッチッチと耐えられなくなる。水を全開にして10分程は必死の湯もみ作業となった。41度まで下がったところでやっと入浴。
目の前には渓流のせせらぎと雨に煙る木々の緑。渓流を挟んだ対岸には龍洞の貸切露天風呂が見えている。2004年に自分が龍洞に泊まった時にはまだなかった、最近になって新設された17番の「せせらぎ」という貸切風呂と思われる。掃除の人が見えたので、双方が入浴中にはお互い目が合いそうだ。
【内湯】
生憎の雨天で他に客もいなかったためか制限時間は言われなかったが、内風呂にも入るつもりだったので50分ほどで露天風呂から上がり、再び母屋に引き返した。内風呂はどちらが男とも女とも書いてないが、手前の暖簾が赤色で奥が青色なので、手前の内風呂が普段は女湯に使用されるのだと思われる。手前より奥の浴室の方が少し大きめ。貸切にしてもらったので大きい方の浴室に二人で入ることにした。
湯の温度は熱めではあったが、露天風呂ほどではなく埋めずに入浴できる程度。湯治場的雰囲気の浴室は素っ気なく飾り気はないがノスタルジーを感じさせ、露天風呂よりもこちらを気に入る人の方が多いかもしれない。浴室は露天風呂と同じく木の根沢の渓流に面していて、ガラス窓からは渓流の流れと、ちょうど龍洞の敷地を分断する形で架かっている橋を見下ろせる。龍洞のお客さんだろうか、橋の上に散策する夫婦の姿が見えた。
【食事も可能】
今回は食事を済ませた後だったので入浴だけしたが、湯元館では旬の食材を使ったうどんセットやすいとんセットなどの食事もある。前もって予約すればバーベキューもできる。冬期は休館となるが、積雪の事情次第では前もって予約すれば開けてくれるそうだ。毎週火曜日が定休と書いてある一方で、サイトの営業カレンダーには全ての日が予約可能となっている。いずれにせよ少なくとも電話一本入れて確認してから行った方が無難そう。
※レポートしたこの場所は現在「龍洞」の遊湯館となっており、龍洞に宿泊または日帰り入浴で入浴することができます。湯元館は新しい場所に移転して営業(冬期休業)を続けています。