レポート | 日帰り
この日一日だけ暇ができたので、近場の甲府近辺に行ってみた。甲府といえば石和温泉だが、甲府の日帰り混浴といえばここ、ガマの大岩風呂で有名な十谷温泉源氏荘を外すことはできない。ということでとりあえず最初に行ってみた。
露天風呂は宿から少し離れている。玄関で料金を払い、宿の外側を回り込んで吊り橋を渡ると、露天風呂はあった。露天風呂の手前に脱衣所の小屋があるのだが、おっといけない、土足で上がるなと注意書きがあるにも係わらず土足で上がってしまったのだ。ぼぉっとしていたのかもしれないが、言い訳させてもらうならば、ここで脱がなきゃって心理にならない作りだったもんで。
脱衣所は男女別室になっている。服を脱いで脱衣所から出ると、それ程大きくない露天風呂が見えた。小さい訳ではないのだが、ガイドブックで見ていた写真よりは狭く感じたのだ。裸の女が露天風呂にじゃぼじゃぼと湯を注いでいる。う〜む、チープな像だ。「いい感じ、いい感じ」と呟きながら透明なお湯に体を沈める。ちょうどいい湯加減の、特に特徴のないお湯である。いい感じ、いい感じ…。
自分のすぐ後にやって来た若い男性は、ガマの大岩風呂に入っていった。巨大な岩を天井に持つ、ガラス張りの浴室である。写真の裸女像のすぐ後ろに写っているのがそれだ。暫くして自分もそちらに行ってみた。
暗い浴室の真ん中に、タイル張りの丸い浴槽があった。浴槽の中心には石で作られた男性のシンボルがそそり立っており、そのてっぺんの穴からどくどくとお湯が流れ出てくる。B級な旅館にはありがちな造形である。
再び露天風呂の方に戻る。景色はそれ程良いとは言えないが、すぐ隣を川が流れており、それなりには楽しめる。B級を好む向きには、たまらない温泉であろう。
お湯から上がって服を着替えていると、先程の男性も上がってきた。「いや〜、いい湯ッすねぇ!」開口一番、男性はそう言った。聞けば営業の途中で寄ったらしい。そりゃあ、仕事中の湯は、また格別にいい湯だろう。温泉が近くにある住民の、何と羨ましいことだろうか。
※2007年に奈良田温泉 白根館の息子夫婦に経営が引き継がれ、白根館の別館として「十谷上湯温泉 源氏の湯」と改名されました。
※ガマの大岩風呂は名称がかじかの大岩風呂に変更、アルミサッシも撤去されて露天風呂になったそうです。
※2019年9月末日をもち閉館しました。