レポート | 日帰り
貸切内湯
旅館大忠は全10室のこじんまりとした静かな宿。畳の廊下など和風モダンなデザインで大人な雰囲気だった。お風呂は、檜の大浴場と露天風呂付きの庭園大浴場が男女入れ換え、それに加えてふたつの貸切風呂がある。貸切風呂は当日10時までに予約すれば日帰り入浴も可能。
鳴子の大雪を脱出して一夜明けた翌日、蔵王の麓だからこちらも相当な雪だろうと覚悟していたのだが、来てみると全く降った様子はなかった。雪雲が蔵王の大きな山体に阻まれたのだろうか、鳴子との落差に拍子抜けした。旅館大忠は国道沿いにあるが、旅館大忠の駐車場は宿に隣接してなく路地二本奥にあった。鳴子のような大雪だったら停めるのも苦労だし、靴を濡らさず宿まで歩くのも難しかったろう。
旅館大忠の貸切風呂日帰り入浴は、50分の利用で3,000円(税抜)。貸切風呂だけならコミコミこの料金で、大浴場の日帰り入浴の場合は一人600円。ふたつある貸切風呂は、ひとつは岩風呂、もうひとつは信楽焼の陶器風呂となっている。宿泊者は無料でどちらも何度でも自由に利用できる。
入浴したのは岩風呂の方。脱衣所には洗面台もあり、化粧水やら綿棒やらのアメニティグッズも備わる。浴槽は家庭用よりもふたまわり大きい程度の物だが、二人なら充分な大きさ。浴室の窓は足下までアコーディオン状に大きく開くようになっており、露天風呂風の気分にはなれる。とはいえ道路に面した立地ゆえ窓の外はベランダ程度のスペースしかないうえ、壁が高く立ちはだかっていて景色を云々できる環境ではない。
湯は茶色の濁り湯。遠刈田7号源泉が使われている。温泉濃度を極力薄めないよう加水を最小限にとどめているそうで、若干熱めの湯。日帰りの貸切なのに比較的リーズナブルな価格で、温泉らしい温泉を楽しめるのは有り難い。