レポート | 日帰り
群馬県にある草津温泉は、言わずと知れた名湯中の名湯。江戸時代の温泉番付では当時の最高位である東大関にランクされる。同じく西の大関である有馬温泉と並んで、東の草津、西の有馬と称賛された。酸性中和施設が必要なほどの強酸性の泉質が有名。草津温泉の湯量は極めて豊富で大源泉だけでも6ヶ所、ホテル所有の自家源泉は多数存在する。ちなみに草津温泉の源泉のひとつ香草はPH1.0〜1.2という玉川温泉に匹敵する強酸性泉で、かつては一井旅館(現ホテル一井)が引き湯していたそうだが、あまりにも奥地なため現在は使われていない。
草津温泉にはその豊富な湯量を生かして古くから続く19ヶ所もの共同浴場があるのだが、それとは別に草津町長が社長を務める草津観光公社経営のふたつの公衆浴場施設がある。ひとつは西の河原公園にある西の河原露天風呂。500平方メートルの広大な岩風呂だ。そしてもうひとつが、温泉デパートと称した日帰り入浴施設「大滝乃湯」である。そして「大滝乃湯」にはこういった近代的な入浴施設にしては極めて異例な混浴の浴室があるというのだ。
「大滝乃湯」で混浴なのは地下にある「合わせ湯」。共同浴場を思わせる昔っぽい造りで、温度の違う浴槽が並び古くから草津温泉に伝わる浴法(ぬるい湯から徐々に高温の湯に身体を合わせて行く)が試せるようになっている。女性専用時間が設けられており、10:30〜12:00、14:00〜16:00、18:30〜19:30の時間帯に男性は入浴できない。
合わせ湯へは男性浴室の露天風呂から直接出入りできるようになっている。しかし女性浴室とは繋がっていない。女性が入浴する場合には合わせ湯の脱衣所で着替える必要があり、わざわざ着替え直さなければ会わせ湯に入れないのは面倒くさい。脱衣所はひとつしかないので混浴時間は男女共用となる。浴室はかなり薄暗いし、女性浴室と繋がるかまたは男女の浴室が逆であれば女性ももう少し混浴時間に入り易いのではと思うのだが、現状はこういう構造であるし女性時間も結構長いから混浴時間に入浴する女性は極めてまれであると思われる。
訪問時間は夕方の書き入れ時だったため、多数の男性が入浴中。予想はしていたが、やっぱり混浴は諦めた。混浴が目当てだったら朝一番の混浴時間が狙い目だろう。女性時間に切り替わってすぐの誰もいない時間のうちにツレに頼んで浴室の写真を撮ってもらったのだが、女湯で入浴を済ませた後であるのに、写真を撮った後「ちょっと入ってくる」と言ってわざわざ入浴し直しに行ったのはツレにしては珍しいこと。そこそこ気に入ったようだ。
※合わせ湯の混浴時間は男性時間に変更されました。
※地下の合わせ湯は男性専用に、女性大浴場の隣に女性専用合わせ湯ができました。
※新たに貸切風呂「しゃくなげ」が新設されました。