レポート | 日帰り
景風流と書いてケーブルと読ませるらしい。「かのうや」はケーブルの宿というその名の通り、駐車場より小高い場所に宿があって宿専用ケーブルカーで行くらしいのだが、住所を入力したカーナビの指示通りに狭い道を行くと、ケーブルカーなど無い目立たない旅館に案内された。
看板には確かに「景風流の宿かのうや」とあるが、駐車場すら無い。仕方なくその先にある公共駐車場に車を停めて歩いて戻るも、やはりケーブルカーなど無くすんなり旅館内に入れた。後でわかったのだが、実はここは裏玄関。カーナビに案内させる場合、大江戸温泉物語湯谷伊香保を目的地に設定すれば、その少し先なので狭い道を通らず辿り着くことができる。
【設備と料金】
「かのうや」には貸切露天風呂が二つ。その他に自由に入浴できる内湯の家族風呂が三つある。電話で貸切露天風呂の予約はできず、到着してからの予約となる。
貸切露天風呂の値段は3,150円。宿泊者もこの値段は同じ。日帰りではこれよりさらに日帰り入浴料ひとり1,000円がプラスされ、二人の場合で合計5,150円と日帰り貸切としては高額な値付け。なのに制限時間はたったの45分だ。大浴場や家族風呂にも入浴できるとはいえ、正直なところ躊躇する額ではある。
コストパフォーマンスという点で満足度はどうしても低くなりがちかも。多くの貸切風呂は日帰りで2,000円〜3,000円に収まっているので、その辺りの値付けを期待したいところ。
【貸切露天風呂「和み」】
貸切露天風呂は「和み」と「睦み」の二箇所で、入浴したのは「和み」。脱衣所は細長く狭め。タオルは備え付けられている。冷蔵ケースにコーヒー牛乳とミネラルウォーターが入っていて、無料で飲めるようになっている。日帰り入浴では初めて見るサービスだが、入浴料を考えると「まあ高い金払ってるし」と思ってしまう。
細長い脱衣所の最奥に、露天風呂への出口がある。写真は露天風呂出口側から脱衣所を見た角度。奥にある洗面台の手前左側が脱衣所の入口となる。
露天風呂へ出ると板張りのテラスとなっており、そこに二人で丁度良いこじんまりした湯槽が据えられている。ほぼ三方が囲まれており広々感は少ないが、張り出したテラスにはリラックスチェアが置かれ、庭を観賞できるようになっている。といっても、なにやら四角いテーブルのような物がデザイン的に並べられているだけの庭が、観賞するほどのものかというと、ちょっと微妙。
庭の先はというと、針葉樹の目隠し越しに見える山の斜面が迫り、良い景色とは言い難い。このリラックスチェアを活用できるシーンを想像するに、天気のいい夜に星を眺めるというシチュエーションが良さそうだ。まあそれにしても45分という制限時間じゃあのんびりリラックスするには短すぎるのがネック。
【家族風呂】
貸切露天風呂の他にある三つの家族風呂も覗いてみたが、露天風呂に入った後では興味も湧かなかったので入浴はしなかった。浴室はかなりミニマム。貸切風呂と言うより家族風呂と言う表現が馴染む風情だが、サイズ的には二人向けといった感じ。無料のうえ特に制限時間も設けられていないので、時間を気にせず家族で入りたい場合に良いかもしれない。