私の温泉仲間に、ちょっと変わったヤツがいます。混浴温泉に行く度、「○○温泉で、全裸入浴の若い女性と混浴した。」とか「△△温泉で、手拭い一丁のねーちゃんと混浴した。」とか、そんな羨ましい話ばかりするヤツです。最初は、仲間の皆も、「羨ましい。」とか、「何で、アイツばっかり。」とか言っていまたが、最近は、もう狼少年扱いで、「ハイハイ、アイツまた言ってるよ。」と、誰も取り合わなくなっていました。
今回の群馬温泉巡りでも、「真っ暗で良く見えなかったけど」とか、「9時の終了間際に、宿泊の女性客が大勢やって来て。」とか、俄かには信じられないような話を披露します。その2箇所は、同日一時間程のタイムラグで、私も入浴した所です。(もちろん、その時はオヤジに占領された男湯状態でした。)
最終日、解散前に集合したのは万座温泉の混浴の露天風呂でした。早めに到着した私は、皆が集合するまで2時間位入っていましたが、若い女性は1人も来ません。フロントでは、大勢の若い女性が入浴料のみを払って奥に消えていったのに・・・彼女達は、千円も払って女湯だけで満足できるのでしょうかね。ま、そんな感じで男湯状態でした。
昼過ぎに、次回の約束等をして解散したのですが、いつも真っ先に居なくなるヤツがまだ帰りません。ソワソワと落ち着きが無く別人のようです。連れに急かされてやっと帰って行ったのですが、何度も後を振り返っています。
10分程で、また戻ってきました。
「あれ、帰ったんじゃなかったのか!?」
「いや、それが、何かイイコトがありそうな気がして・・・」
「もう上がるって言う連れには、15分程車で待っていてくれって言ってきた。」
と、また訳の解からない事を言っています。
その直後でした、隣の湯船で騒いでいた団体の所へ女性が来たのです。30代の美人です。小六位の娘を連れています。二人共、手拭い一丁だけです。そして、ふと気づくと、単独さんだと思っていた20代男性の隣に、これまた20才位の美形嬢が居るではありませんか。こちらは、礼儀正しく手拭いを湯に浸けないように入浴しています。
「マジかよ。」
ヤツを探すと、少し離れた所で悠々と打たせ湯を浴びています。こちらに気づくと、親指を立てて合図してきます。
彼女達は、10分程の混浴を楽しむと、女湯に戻ってしまいました。ヤツは・・・・というと、「いやあ、堪能したよ。じゃ・・・また。」と、言うとさっさと帰ってしまいました。本当に15分程の出来事でした。
どうやら運がイイのではなくて、非常に勘が鋭いヤツのようです。