あれは、１０年少し前の事でした。湯西川温泉薬師の湯に母、弟、姪と入った時に変なオヤジに遭遇したのです。誰も入って居ない事を確認しみんなで湯に浸かりほっと一息ついたときにいきなりそのオヤジは裸で入って来たのでした・・・。
後で思えば初めから変な事に脱衣所に浴衣が脱いであり不思議に思ったのですが、そのオヤジは「川沿いにある旅館の露天風呂に入って来た」と言い私たちにも「行けば？」と勧め、私や姪を凝視している為湯から出るに出られなくなり、勘の鈍い母が懇談したりして居るウチに姪がのぼせてきました（私は高校の修学旅行にもタオル３枚持って入った人なのでその時も２枚持っていて縁に腰掛けられたのです）。変なオヤジは「お婆ちゃんの背中流してあげなよ」とか姪を湯から出そうと必死です。姪を励まし、タオルは貸さず、沈黙の我慢大会は続きました。
とうとう業を煮やしオヤジは出ていきました。後少しで姪は倒れていたことでしょう。その後急ぎ服を着て外へ出たらそのオヤジこんどは窓から覗こうとまだ建物の周りをうろついていて、私を見るとバツ悪そうに逃げて行きました。
川縁のひなびた風情に提灯の灯がともる夜のことでした。あれ以来脱衣が有ったら入らないにしようと思いますが、そんな人滅多に居るものでは有りませんよね？