レポート | 日帰り
雲峰の霊泉とペットボトルに入って売っているのを見かけたこともあるのではないだろうか。裂石温泉は、世界的にも珍しい天然アルカリイオン泉が沸く所である。東京から近いことから、休日には老若男女を問わず賑わっている。
そういえば、近くの石和では、ラブホでさえ蛇口から軟水が出てきたもので、驚いたことがある。この辺は水に特徴があるらしい。
雲峰荘も10年位前は人知れずといった風情があった旅館だが、最近は青梅街道の整備が進んでおり、すっかり観光地然と変わってしまっていた。
甲府の街からすぐ近くだし、東京からもちょっとそこまでという距離であるから、ドライブのついでにちょっと混浴でもいくべぇよという若いカップルにはおあつらえ向きである。実際訪れる若いカップルも多いらしい。
また、奥多摩といえばバイクということで、ツーリング途中のライダーも多い。若い男性の肌に飢えているのなら、是非行ってみて欲しい。(んな奴いないか。)
雲峰荘の玄関で入浴料を払い、少し離れた場所にある露天風呂に向かう。男女別の内湯も有り、そちらの方が入浴客で賑わっていたが、露天風呂と内湯で別料金になるらしい。自分は迷わず露天風呂だが、できるならひとつの料金で両方入れるようにして貰いたいところである。
脱衣所は小屋の中で男女別に別れている。着替えて扉を開ければすぐに露天風呂である。ところがその扉が上半分ガラス張りなもので、露天風呂側からは脱衣所内が見えてしまうのだ。まあ、隣の女性用の方は岩が邪魔をして、覗きにでも行かなければ見えないだろうが。
脱衣所をでると、誰もいない。「ラッキー、独り占め」無味無臭無色透明の湯に体を沈めると、さらさらの湯がすぐに身体を温める。湯船は二つ。ひとつは巨大な岩が屋根になっており、こちらの湯はちょっと熱めであった。1年程前に訪れたときは、休日であったため、入浴客も多かった。
今回は露天風呂に一人でゆっくり浸かっていると、静かで人の声もなく、あの時とはまるで別の場所のようであった。どちらかというと自分はこういう静かな方が好きだ。残念ながら、ちょうど谷あいにあるために展望は開けない。隣に川があるのだが、もっと低い位置を流れているために、露天風呂からは見えなくなっている。こういう所では、目をつぶって山の風音を聞くに限る。