レポート | 日帰り
開湯から千百年以上が経つ赤倉温泉は、旅館が9軒だけと決して大きな温泉地ではないが、全ての旅館が自家源泉を持つという豊富な湯量が特長。赤倉温泉の中で最も奥まった場所に、部屋数8室にしては大きく見える旅館を構えているのが最上荘。
【最上荘の浴場】
基本的に最上荘の浴場は大浴場がひとつ、追加して小さな女性専用浴室があるだけ。混浴の大浴場と女性専用浴室との広さの差は大きく、混浴の大浴場に入らなきゃ最上荘に来た意味がないとまで思える。部屋数が8室しかないこともあって融通はきくので、大浴場を1時間1,575円増しで貸切にすることも可能。
【日帰り入浴時間】
日帰り入浴が通常8時頃からということなので9時くらいに到着したのだが、玄関前に行ってみると10時からという看板があったので、付近で1時間ほど時間を潰すことになった。10時になって再訪、入浴を受け付けてもらえたが、何故か料金はいらないとのこと。帰る時にわかったが、ちょうど掃除しようとする直前で汚れた状態だったから、ということだったらしい。掃除を待たせた上に無料にしてもらうなど申し訳なかったなと思う。しかも結構気に入って1時間近くものんびりしてしまったので、事情を知らなかったとはいえ余計申し訳ない事をした。平日に行く場合は特に、前日のうちに時間を連絡しておくのが良いかもしれない。
大浴場の入口前にはステンレスの流し台がある。古い旅館や山小屋とかにあるような、歯磨き等をする共通の水場なのかな? 床がちょっとぺこぺこして、建物の年季を感じる。
【大浴場】
男女別の脱衣所を経て浴室に入ると、屋内プールのようながらんとした広い室内に驚く。窓も大きく明るいので、下手な露天風呂よりもずっと開放感溢れる気持ちの良い空間だった。
ただ、窓は素通しのガラスなので、川向こうだとはいえあっちの建物から見えはしないかと若干気になるかもしれない。自分はこの明け透けな無防備さこそThe温泉だって感じで最高だと思うのだが、ツレは気になるとみえて浴室内を歩く時は「伊豆シャボテン公園の寒がりチンパンジーのココちゃん」と同じ格好で移動していた。
これだけ大きな湯槽でもお湯はかなり熱く、湯量の豊富さを伺わせる。脱衣所から見て右側に水の出るパイプが湯槽まで延びていたので、全開にしてその近辺に入浴。これだけ大きいと簡単に湯温は下がらない。それでも段々慣れてきてからは水の出る近辺に留まらなくても大丈夫にはなった。
プールのような湯槽は子供が喜びそう。しかし床がぬるぬるして滑りやすかったので危ないかなと思ったのだが、後で判明したようにそれは掃除前だったからのようだ。通常だったら常識的な範囲で子供がはしゃいでも大丈夫だろう。
【手頃な宿泊料金】
最上荘は2食付き1室2名でも1名当たり6,800円からと安いプランがある。部屋食で一番広い部屋を選んでも9,800円と充分に安い。設備的にはかなり古いので我慢が必要な部分もあるかもしれないが、逆にそういう所が面白かったりもするし、また今度は是非とも泊まりに来たいと思うくらい、久しぶりにわくわくできて楽しかった。
※休業しているそうです。