レポート | 日帰り
蓮華温泉ロッジは蓮華温泉にある一軒宿。林道があるおかげで歩かずに車で行くことができるが、元々は(今でも)山小屋。よって消灯時間が21時とか混雑時は相部屋など、アメニティは山小屋に準ずる。
【営業期間】
3月中旬から10月20日頃までの営業となるが、6月末までは林道が冬期閉鎖となるため、それまでの期間は蓮華温泉まで徒歩で2時間半ほどの道程。楽には行けないが山スキーのクラシカルルートなので、その時期でもそれなりに人は入っている。但し野天風呂は一部しか入れなかったりする。一般には林道が開通してからが温泉シーズン。
入ノ平白馬線が開通してまだ数日、まだ入浴客が少ないことを期待して行ってみた。天気は時々小雨がぱらつく曇空。林道終点の駐車場には数台の車。駐車場から歩いて1〜2分で蓮華温泉ロッジに着く。入浴料は一人500円。
【露天風呂周遊】
蓮華温泉ロッジの裏手に回り込むと、露天風呂の点在する遊歩道入口がある。ぐるっと回る周回コースとなっており、入口から右回りと左回りの左右に分かれている。反時計回りだと最初の野天風呂まで5分、時計回りでは最初の野天風呂は10分、ツレの決断により反時計回りで行くことにする。
【黄金湯】
最初の野天風呂は黄金湯。木で組まれた湯槽は四つの野天風呂の中で一番大きい。湯温も適温で、振り返ってみればここが一番入り易い湯だった。但し、樹林に囲まれているため、湯にどっぷり浸かると北アルプスの山並がほんの少し頭を出すだけ。見晴しが良いとは言えない。
【薬師湯】
黄金湯から先へ進むと道は右回りコースと合流し、さらに上部を目指して行くと仙気の湯がある。だけど草刈り作業の真っ最中で、聞けばもうすぐ終わるからということだったから、さらに登って薬師湯を先にする。
薬師湯は最も高い場所にある野天風呂で、見下ろすと仙気の湯が見えている。石造りの湯槽には熱々の湯が満たされていて、これが本当に熱い。まだ雪の残る雪倉岳・朝日岳を望む見晴しは良いのだが、とてもゆっくり浸かってなどいられない。それと時季が時季だけに、まとわりつかれる蚋に閉口。
【仙気の湯】
草刈り作業が終わったのを見計らい、仙気の湯へ下りる。見晴しは薬師湯と同等だが、より開けた場所にあるので開放感は全野天風呂中で最高。蓮華温泉の写真で一番良く見かけるのも仙気の湯だ。
だがしかしここも熱い。薬師湯よりマシだが、長くは入ってられない熱さ。実はもう次へ行こうかという時になって気付いたのだが、黒いホースから水が排水溝へ流されていた。熱ければこの水を湯に入れて温度調節すればいいらしい。でも今さらだったのでそのまま後にした。蚋も多かったし。
【三国一の湯】
仙気の湯から下って右側のコースに入る。森の中に入ると何故か蚋は少ない。すぐに三国一の湯に到着。こちらは小さな湯槽でほぼ一人用、二人までのカップルサイズ。密着すれば三人まではいけそうだが、例えばおっさん三人が密着して入っている場面など想像したくもない。
三国一の湯の一番の特長は冷泉であるということ。この日は夏日だったから暑く汗ばむ身体にちょうど良かったが、涼しい日だったら入浴は躊躇われる。
【入浴者少○ 蚋×】
全てを回っても、他の入浴客には一人も会わなかった。一番のんびり浸かりたかった仙気の湯が熱さと蚋でゆっくりできなかったのは残念だったが、他人の目を気にせず入れたのは良かった。蚋を避けるなら夏を過ぎてからが良さそうだが、秋には入浴客も多そうだし落ち着けなかったら一長一短だなとも思う。