レポート | 日帰り
信濃の国と越後の国の国境が引かれた姫川を挟んで両岸に跨る姫川温泉。その新潟県側にあるのがホテル國富翠泉閣。とはいってもそもそも姫川温泉には三軒の旅館があるだけで、長野県側に二軒の旅館が隣接して建ち、つまりはホテル國富だけが一軒ぽつんと離れてはみ出ているといった按配。
ただ、長野県側は二軒とも古くB級感溢れる小さな旅館なのに対して、ホテル國富は規模も大きく現代的な旅館。あえてB級好きでもなければ、一般的にはホテル國富にしか目が行かなそうではある。
【ホテル外観の印象】
平岩駅前を向かって右に折れて少し行くと、目立つ大きな旅館がホテル國富だから迷うことはない。背後の山の斜面に巨大な仏像が鎮座しているせいもあるのか、どこかの宗教団体の総本山っぽく見えなくもない、どことなくオリエンタルムード漂う建物だ。
【日帰り入浴料】
ホテル國富には男女別の大浴場と露天風呂、そして3箇所の貸切露天風呂がある。貸切露天風呂の利用は宿泊者の場合、1回45分2,100円。貸切露天風呂30分利用特典付きプランもある。けど30分は短くってちょっとせこい気もする。日帰りでも貸切露天風呂の利用が可能で、その場合の料金は60分2,100円+入浴料一人1,000円。2名の場合は合計4,100円となる。
【貸切露天風呂】
貸切露天風呂はホテルとは別棟に三箇所固まってある。入浴したのは「元気湯 樹の香」という名前の、木で枠組みが作られた湯槽の露天風呂。貸切棟の一番左側の個室だ。
脱衣所は4〜5畳ほどもありそうな広さで、床も壁も白木の板というログハウス風の造り。浴室は半分ほどが室内で大きな浴槽が室内から外に飛びだしているような構造。一室が占有する面積はかなり大きく、小さめの大浴場なみという贅沢さ。湯槽も一度に十数人は入れそうな大きさがある。
木の湯槽といっても木が使われているのは縁だけで、底はコンクリ。さすがにこの大きさの浴槽で総木にするにはコストがかかり過ぎるのだろうか。ちょっと残念。
湯槽の大きさの割には開放感はあまり感じない。特に見るべき景色もなく、正面は鬱蒼とした緑。こういった所の場合は、雪が積もると情感溢れる趣にがらっと印象を変えることがある。冬にも来てみたくなった。
湯槽が大きいととりあえず泳いでみるツレが、例に漏れず泳ぎだす。但し深さがあるわけではなく、底に膝を擦りそうなのによく泳げるものだと思って見ていた。でも湯槽がこれだけの大きさだったら家族連れの子供は大喜びではしゃぎまわりそうだ。