レポート | 日帰り
湯ノ倉温泉は、歩いてしか行けないランプの宿である。歩きといっても20〜30分程度であるし、さほど起伏の激しい山道ではないから、ちょっとした散歩気分で行くことができるので、ご安心を。健脚向きにはコース取りを変えれば、数時間のトレッキングを楽しみながら行くこともできる。
赤い橋から出発して一山越えると、赤い屋根の旅館が見えてくる。まずお出迎えしてくれたのは、二匹の犬であった。犬に挨拶をしてから玄関に行き、入浴料を払って露天風呂にまっしぐら。湯ノ倉温泉ではやはりメインはこの露天風呂である。
脱衣所は露天風呂に向かう手前に小屋がある。中で男女別に分かれているから、女性も着替えの心配はいらない。しかし、脱衣小屋から露天風呂までは少し距離があるので、裸でてくてく歩いて行くのはちょいと間抜け。女性はバスタオルをぐるぐる巻いて行けばいいだろうから、かえって男の方が恥ずかしいかも。
湯舟は広々している。冷えた身体に、湯の温度はちょっと熱かった。特に足を入れた時にびりびりくる。だが、一旦身体を沈めてしまえば、冷たい風との対話が丁度いい。身体が程よく温まったところで、ちょっと川原に降りてみた。川に突き出るように湯舟があるので、湯舟の縁の下がすぐもう川なのだ。足を入れるとこの季節、さすがにしびれるくらい冷たい。夏であれば、ほてった身体を川で冷まし、またお湯で暖め、なんて事を繰り返すのも楽しいかもしれない。
いかにも山間の露天風呂と行った風情は、これぞ露天風呂の醍醐味といったところか。これで紅葉がもっと進んでいれば、ダイナミックな秋の景色を楽しめたのだが、ちと残念…。
※2008年6月、岩手・宮城内陸地震の影響により水没、復旧未定。
※2009年5月、営業の再開を断念したそうです。