レポート | 日帰り
夏油温泉には元湯夏油だけでなくいくつかの宿泊施設があり、そのいずれに宿泊しても夏油温泉を代表する元湯の五種類の露天風呂に入ることができる。花巻温泉の美翠館や北陸山中温泉の花つばきを傘下に持つ翠明荘グループの一員でもある夏油温泉観光ホテルは、元湯夏油を正面に見て左側、橋を渡った先にある。
夏油温泉観光ホテルは元湯夏油とは別に独立した露天風呂を持ち、入浴するにはここに宿泊するかまたは立ち寄りで元湯とは分けて入浴料が必要となる。とはいっても露天だけなら200円という、最近ではとんとお目にかかれなくなった格安料金。しかも元湯の混雑が嘘のように静かで落ち着ける。元湯と合わせても600円にしかならないので、時間が許せばこちらにも是非寄っておきたい。
【混浴露天風呂】
露天風呂はホテルから少し離れて夏油川の川岸にぽつんとある。露天に向かう途中には二個所ほど腰を下ろして休憩できる場所があり、ちょうど先客がいたのでそこで暫く待つと程なくして先客が出た。すぐに後ろからひとりのお婆さんがやって来たが、そのお婆さんも腰を下ろして今度はこちらが出るのを待っていた。帰ってから調べて分かったのだが、どうやら順番に入浴するという暗黙のルールがあったらしい。
露天風呂はすぐ目の前に夏油川を臨むロケーション。山の新緑と清流のブルーのコントラストに癒される。元湯夏油の混雑したざわざわした雰囲気とはまるで別世界で、自然に身を任せ静かに落ち着いて湯浴みができる。
こちらに向かう前、公共駐車場で山道具を車に放り込んでいる時に、夏油温泉観光ホテルから若い女性グループが出てきた。普通の観光客っぽかったので元湯夏油からじゃないことが意外な気がしたが、人の多い元湯に比べれば女性は夏油温泉観光ホテルの方が格段に入りやすいだろう。露天風呂の湯船がひとつしかないというだけで、個別の湯船を比べれば元湯に決して見劣りはしないのだし、あちらの混雑に臆したなら迷わずこちらを選ぶのがいいと思った。
※2011年に震災の影響で閉館するも、2014年6月より3年ぶりに営業再開。混浴の渓流露天風呂は貸切利用に変更。