レポート | 日帰り
会津の奥座敷と言えば東山温泉だが、こちらの磐梯熱海温泉は郡山の奥座敷。開湯はおよそ800年前。近くには海が無いのにどうして熱い海なんだろうと不思議だったが、この地の領主となった伊東祐長の出身地が伊豆の熱海だったことが由来ということらしい。
磐梯熱海温泉は五百川渓谷沿いと駅周辺地区で古さに差があるが、「湯のやど楽山」があるのは歴史の古い五百川渓谷沿い。渓谷沿いの地区ではあるが、道路を挟んでいるので渓谷に面しているわけではなく、風呂や部屋から渓谷を望めるわけではない。
【日帰り入浴料】
「湯のやど楽山」には大浴場や男女別露天風呂、露天陶器風呂の他に三つの貸切露天風呂がある。かまどを風呂にした「親子釜風呂」、深さ1.2mで立ったまま入る「立ちんぼの湯」、そして桧を使った「ひのき風呂」。いずれも日帰りで入浴可能。料金は2名利用で45分2,100円。コミコミ料金だから日帰りの貸切としてはリーズナブル。
【貸切風呂】
屋根のある外廊下を渡って貸切棟に行くと、三つの貸切風呂が扉を並べてそこにある。フロントで渡された鍵で目当ての浴室に入るシステム。釜風呂もひのき風呂も平凡だと思っていたので、迷わず入浴したのは立ちんぼの湯。立ったまま入る深い浴槽って好きなんよ。
扉を開けると小さな脱衣所があり、ガラス戸で仕切られた洗い場、そしてその外に露天風呂と続く。湯槽はこじんまりと感じるが、貸切としてはそこそこ大きい方。冷静に見れば脱衣所から庭まで含めて結構な面積が割り当てられていると思うが、湯槽の所でくの字に折れているせいなのか、「湯のやど楽山」のサイトの写真を見て思っていたより狭い印象を受けた。ちょっともったいない構造だと感じる。
湯槽に入って階段を下りて行くとずんずん沈んで行くのは面白い。最終的には胸の辺りまでの深さになる。立ったままと言っても、腕を乗せて休める丸太もあるし、腰かけられる段差も設けられているので、立ったままは疲れない? という心配はいらない。ツレも立ちんぼの湯を気に入ったようだ。
だけどなんだろう、いまひとつ物足らない。もうちょっとわくわくする感じがあるかなと思っていたが、その期待値までは達しなかった。何かもうひとつ演出が欲しいところ。ちょっとした工夫でもっともっと面白くなりそうなんだけどな〜、惜しい。