レポート | 日帰り
磐梯熱海温泉の旅館組合所属全旅館には郡山市営泉が配湯されているが、磐梯熱海温泉にはもうひとつ保護組合泉という配湯設備がある。市営泉は泉温53℃、無味無臭の単純泉。保護組合泉は泉温38℃、かすかな硫黄臭がする単純硫化水素泉。それぞれph9.4、ph9.1のアルカリ性泉である。アルカリと言えば大抵は美人湯の称号が冠せられているものだが、磐梯熱海温泉も例に漏れず、月岡温泉・いわき湯本温泉とともに磐越三美人湯のひとつとして数えられている。
紅葉館きらくやには郡山市営泉の他に保護組合泉も引かれており、別の湯槽でそれぞれの違いを楽しめるようになっている。温泉好きだったら評判の良い保護組合泉も試してみたいところだろうけど、きらくやの貸切風呂には残念ながら市営泉だけが注がれている。
【きらくやの貸切風呂】
きらくやには石の貸切風呂と木の貸切風呂という展望貸切風呂がふたつある。どちらも4階、磐越西線を見下ろすロケーションに隣り合って並ぶ。
日帰りでの料金は、通常の日帰り入浴料500円+貸切料1,000円。ふたり利用の場合、500×2+1,000=2,000円となる。制限時間は50分。
【木の貸切風呂】
フロントで鍵を受取って4階へ向かう。渡されたのは木の貸切風呂の鍵。4階の奥にふたつ並んである扉、向かって左が石の貸切風呂、右が木の貸切風呂。
中に入ると広めの脱衣所。洗面台もあるし、トイレまで備わっている。脱衣所奥のガラス張りの扉を開けると浴室。カランは三箇所、全てシャワー付き。家族風呂というより小浴場と言っていい広さ。湯槽も貸切としては大きめ。子供二人の家族四人を想定してみても、子供がはしゃげる程度の大きさはある。
湯槽のある奥の壁は全面ガラス窓になっている。ただ、窓から見える景色はあまり印象的とは言えない。正面に山は見えているが、駅が近いこともあって線路とその周辺のがちゃがちゃした町並があり、情緒や風情はイマイチ。だけどまあそれも面白い。鉄道好きだったなら下を通る列車が嬉しいだろうか? 入浴中一本しか通らなかったけど。
湯槽の左サイドまで回り込んで窓ガラスがあるが、外に目隠しがあるので窓の役割を果たしていない。広さのわりに開放感があまりないのだが、この目隠しがなければ、あるいは湯槽の両サイド共に目隠しの無い窓になっていれば、さらにもっと印象が良くなっていたと思えるので、それだけがひとつ残念な点だった。