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混浴貸切温泉〜快楽秘湯表編

混浴の記憶

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奥飛騨慕情

水明館佳留萱山荘、中部日本一大きい野天風呂が自慢だそうだ。300人入れるそうだが、実際見てみるとそれほどのものかな、という気はする。まあ、景色はいいし、のんびりした気分にもなれる、それなりに良い所である。

風呂の隣に林道があって、その向こうには川が流れていた。

この時、誰もいなかったものだから、私は調子に乗って素っ裸のまま川まで行ってしまった。山の風は程よく涼しく、陽の光によって焼けた川原の石はこれまた程よく暖かい。でかい石の上に裸の体を横たえると、ぽかぽかと日差しが全身に当たって、時間を忘れるくらい気持ち良い。ヌーディストの気持ちがわかるというものだ。ふと気がつけば20分くらいが過ぎていた。

遠くの崖の上を観光バスが走って行くのが見えた。想像してみて欲しい、素っ裸の男が寝そべっている姿は、端から見てさぞおまぬけな姿だろうと思う。いや、それどころか、考えるだに気色悪い光景であろう。まあしかし、バスがあんなに小さく見えるのだから、こちらの姿なんて向こうからは全然見えないに違いない。

暫くして川遊びにも飽き、もう一度露天風呂で身体を暖めなおすと、私は温泉を後にした。

車で、先程見かけたバスの走っていた道を私も走りながら、ふと、先程裸で川遊びをしていた場所を見てみると……私のいた場所から100メートルくらい離れた場所に、誰か釣か何かをしている人が見えた。そして私は、人間の目が意外に高性能だということを知った。

うーん、充分見えてんじゃん…。

しっかり見られてしまったであろうその日であった。