レポート | 日帰り
古く戦国時代から続く下部温泉。山梨にたくさんある、信玄の隠し湯のひとつ。信玄が肩の刀傷を癒したと伝えられる。山梨の南部に存在し、多くの旅館が密集して建つ、うらぶれた雰囲気を残しつつも栄えた温泉郷だ。
神泉は、温泉街中心部の奥側、道路が90度右に曲がり橋を渡った突き当たりにある。困ったのは駐車場で、付近には停められそうな場所はなく、かといって温泉街手前にあった大きな駐車場からだと結構な距離がある。
神泉は源泉館の別館なので、受付は隣にある源泉館で行う。入浴料1,000円はちょっと高く感じるが、鉱泉だけに水が自慢であるらしく、1リットル入りの鉱泉水が一人一本おまけに付いた。南アルプスの水は大好きなのでありがたい。
神泉の建物はかなり古く、湯治用の宿泊部屋もあるが、さすがに泊まりは躊躇してしまう雰囲気だ。入口を入ると特に管理人はいないようで、勝手に上がって男性は右、女性は左に別れる。脱衣所は男女別だ。脱衣所から浴室に入るとすぐに洗い場があり、その奥に小さい湯舟の加熱槽がある。左の階段を降りると全面に源泉が張ってあり、これがメインのかくし湯岩風呂である。いきなりこちらに入ると、なにせ加熱されていないものだから、ひょえ〜と縮み上がってしまうことになる。夏の暑い時期ならまだしも、通常はまず加熱槽でよく暖まってからにした方がいい。
薄暗い浴室はなにやら神秘的な雰囲気で、霊験あらたかな風情を醸し出している。湯船の底は板張りで、その下の奥底から源泉が湧きだしているらしい。冷たい鉱泉に、先客のお婆さんとお爺さんが無言で浸かっている。お婆さんは湯着を着ており、ケツを晒してたのはツレだけだった。女性は湯着の準備をして行った方がいいだろう。ちなみに洗い場の奥にはトイレもあり、長湯にも対応した造りだった。
※日帰り入浴は現在休止中。