レポート | 日帰り
百観音温泉は東北本線の東鷺宮駅から歩いて数分の好立地にある日帰り専用温泉施設。街中の温泉施設によくあるように掘削によりできた温泉ではあるが、天然ガスとともに噴出するため関東平野には極めて珍しい自噴泉であるという。
百観音温泉には5.5畳〜6畳の個室が付いた貸切風呂が5部屋用意されている。貸切風呂の利用は土日祝日の場合原則3名以上ということなので、2名の場合には平日に利用するしかない。
土日は早くから予約がいっぱいになっていると噂を聞いたので、翌週の予約を取ろうと週末に電話してみるとほぼがらがらに空いていた。平日はさほど混んでもいないようだ。どの部屋もさほど違いはないが桔梗の間の風呂が一番広いということで、桔梗の間を予約。
【百観音温泉の外観】
看板に従って百観音温泉に到着すると現れたのは昭和の雰囲気漂う古めかしい建物で、最近の日帰り施設に多いモダンな建築とは一線を画す佇まい。これが平成に変わって13年も過ぎてからできた施設だとは、外観からは想像できない。とはいえオープンから十数年も経てばそれなりに傷みも進むだろうが、2014年に大改修を終えたばかりなので内装は新しく綺麗。
【貸切風呂の利用料】
貸切風呂の利用は入館料800円プラス貸切利用料3,300円。この料金で3時間利用できる。3時間となるとかなり長いので、昼時に行って部屋に食事を頼むことにした。入館料800円では4時間の時間制限があって以後1時間ごとに延長料100円がかかるので、個室利用中でも大浴場に行くのも良いかもしれない。
【貸切風呂-桔梗の間】
桔梗の間に行ってみると、条例とやらのせいで部屋に鍵が付いてなかった。秋田の森のバスと同じ理由だが、同じ埼玉県の別の施設では貸切風呂にも鍵がかけられるわけだし、何が違うのか正直なところわからない。全員で風呂に入ってしまうとセキュリティ的に心もとないのだが、どういう意図の条例なのかさっぱり理解できない。休憩室の延長上にあるような個室という考えなのかもしれないが、風呂付きの個室の場合は根本的にそれとは違うような気がするのだが。まあとにかく、貴重品は貴重品ロッカーに預けて持ち込まないようにする必要がある。
内装は張り替えてあるのか綺麗だが、造りに手は入れてないようで、古くさい印象なのは否めない。個室内にトイレはあるけど、最近はどこに行ってもウォシュレットというのに慣れてしまったが、ここはウォシュレットではなかった。脱衣所への仕切りがアコーディオンカーテンというのが、なんとなく病院っぽく感じる。
浴室は湯気を抜くためなのか窓が全開だったが、目の前が駐車場なので服を脱ぐ前に確認した方が良い。
ちなみに公式サイトの写真ではこの風呂は桜の間ということになっているが、桔梗の間の間違い。というかサイトの写真、鈴蘭の間と梅の間しか合ってない。桔梗の間の正しい写真は桜の間の写真、桜の間→百合の間、百合の間→桔梗の間というのが正解。制作会社が間違えて作ったのだろうと思う。※サイトがリニューアルされて現在では正しく直っています。
百観音温泉の貸切風呂には全て源泉100%の温泉が使われている。黄色みがかった薄い濁り湯で、舐めるとかなり塩っ辛い。温泉の元は化石海水なんだそうだ。都内の温泉のように黒くはないが、石油臭もある。
埼玉県というとすっかりアルカリ性泉のイメージが付いてしまっていたが、ここはナトリウム塩化物強塩泉。アルカリのぬるっとした感触とは違って、きしきしした感触。それはそれでまた良いものだ。貸切風呂が温泉かどうかにはこだわらないといつも言っている自分だが、とはいえ温泉であったならより良いことには変わりない。百観音温泉の貸切は露天風呂じゃないからと正直なとこ興味は薄かったのだが、そんなデメリットよりも源泉であることのメリットはそれを上回ると感じられた。