レポート | 日帰り
熊谷市の熊谷バイパス沿いに、2017年4月20日プレオープン、4月27日グランドオープンした入浴施設が花湯スパリゾート。深谷にある花湯の森と同じ(株)リゾート花湯の森が手がけた、温活カフェというコンセプトを掲げる日帰り温泉施設となる。
近頃、一日中うだうだと過ごせる温浴カフェというスタイルが増えているようで、埼玉県内だけでも(株)温泉道場が運営する「おふろcafé」が既に2店舗存在している。
花湯スパリゾートもやはりその流れに乗った施設で、8種類の岩盤浴、TV付きリクライニングチェア、電動マッサージチェア、約1万冊のコミック・雑誌、コーヒー・ココア等のドリンク類、wifiと自由に使えるPC、これらが基本料金内で全て無料で利用できる。
【営業時間・料金】
営業時間は、日曜〜木曜が10:00〜26:00、金土祝前日が10:00〜翌9:00までとなる。
入浴料金体系は若干煩雑。まず安く入りたいなら入浴のみの入浴コースがあり、平日700円、土日祝特定日800円。入浴コースはタオル・館内着が付いてなく、館内着を着た者だけが入れるエリアにある岩盤浴やリラックスルームが利用できない。
館内着が付いた温活cafeネストコースは、タオルセット無し平日980円・土日祝特定日1,080円、タオルセット付き平日1,180円・土日祝特定日1,280円、館内着2セット付き平日1,380円・土日祝特定日1,480円。館内着2セット付きというのは、恐らく岩盤浴で汗だくになった館内着と、館内スペースで寛ぐ時の館内着を別にしたいというニーズに応えたものと思われる。
20時以降はコース料金より100円引き。金土祝前日のみ25時以降は深夜延長料金がかかり、1,200円が加算される。
土日祝のみとなるが6:00〜9:00の朝風呂コースもあり、料金は600円。
温活cafeネストコースは岩盤浴に電動マッサージチェアも全ての施設が無料で利用できて、お茶やコーヒーも飲み放題だし、入浴コースとの料金差は納得というか、逆に温活cafeネストコースが格安に感じる。タオルくらい自分で持って行けばいいので、特に温活cafeネストコースのタオルセット無しが最もオススメに感じた。
【貸切個室】
まだ公式サイトの情報が少なく、貸切個室の写真すら載っていないが、花湯スパリゾートに電話で確認したら貸切個室には壷湯露天風呂が付いているとのこと。貸切個室は全部で4室ある。
貸切個室の料金は、2時間3,800円、3時間5,400円、4時間6,800円、最大12,000円、21時以降9,000円となっている。入館料は別途必要。
貸切個室は完全予約制とのこと。予約を入れずに行ってから直接利用できるのか聞いたらそういう答えだったのだが、空きがあっても予約がないと断られるのか、なんとなく腑に落ちない気もするので、ちょっとこちらの聞き方がまずかったのかもしれない。
ちなみに予約したのは当日の午後、近くで別の用事を済ませてからだったのだが、余裕で空きがあるようだった。
個室内に飲食の持ち込みは禁止とのこと。部屋での飲食そのものがダメで、食事はレストランを利用することになる。自由に個室の出入りができるように鍵は人数分の数を渡されるものの、個室を利用する理由に飲食がメインの人も多いと思われるので、ちょっと疑問があるシステムではある。まあできたばかりの施設なので、運用面は今後色々とブラッシュアップされていくんじゃないかと思う。
【個室 梅の間】
貸切個室があるのは施設の最奥部。大浴場から先のエリアは館内着着用エリアとなり温活cafeネストコースの客しか入れない。その奥に貸切個室はあるが、館内着のない一番安い入浴コースでも貸切個室の利用はできた。
案内されたのは、貸切個室が並ぶ中でも一番手前の梅の間。部屋には焦茶色の畳が敷かれ、モダンな印象。トイレも備える。洗面台にはメイク落としも兼ねた洗顔フォーム、化粧水、乳液、男性向けにもアフターシェーブローション、ヘアトニック等が置かれていた。
ツレに不評だったのは、お茶はおろか水すら置かれていなかった事。単なる貸切風呂ではなくて、最低2時間からの貸切個室なのだから、お茶か何かくらいあると嬉しいのだが。確か花湯の森にはあったような気がするので、今後の改善を期待する。洗面台の下にはビジネスホテルにあるような小型の冷蔵庫が備えてあったので、飲食持ち込み禁止と聞いた気がするが、もしかして飲み物はOKだったのかも。
【個室の露天風呂】
洗面台の右側にはシャワーブースがある。シャンプー・リンスも置かれていて、身体をここで洗う事ができる。
シャワーブースを抜けると露天風呂に出る。部屋の窓から直接露天風呂に出る事もできるが、足拭きマットが敷かれているのは洗面台の方だから、シャワーブース経由で行き来するのが通常。
壷湯と言われたので丸くて小さい湯船を想像していたが、花湯の森の個室とだいたい同じ楕円形の湯船だった。二人でいっぱいの決して大きくはない湯船だが、壷湯と聞いて描く印象よりは大きい。
露天風呂の外側には庭があり、竹が植えられている。花湯の森の貸切個室と印象は近い。ただ、ちょっと竹がスカスカな感じで、もう少し鬱蒼としていた方が印象が良い気がする。梅の間はちょうど目の前に女湯の建物があって庭が狭いが、他の部屋の前は何もないから印象が違うかも知れない。
個室の露天風呂にも天然温泉が使われている。わかりやすい特徴は無い湯だが、天然温泉というだけでありがたさを感じるものだ。
【大浴場】
男女別の浴場には、今どきの設備が一通り揃っている。内湯には温泉、ジェットバス、サウナ。露天風呂には高濃度炭酸泉、つぼ湯、寝湯、そして加温加水循環無しの生源泉掛け流し湯船。
スパリゾートと言うだけに露天風呂エリアは大きく、エリアの中心を流れる小川に橋がかかり、その左右に湯船が点在。おっさん達がぶらぶらさせながらうろうろあちこち歩き回っている光景は、あまり見栄えのいいものではないのが残念なところ。館内ではカップルや若い女性グループが圧倒的に多い気がしたが、なぜか男性露天風呂には爺さんとおっさんばかりだった。女性露天風呂の方だったら、なかなか美しい光景になっているんだろう。
ただ、露天風呂が大きいことは大きいのだが、やはり熊谷という立地的なものもあって、箱庭感は否めない。田舎の山の方の入浴施設だと遠く山を望んだりして露天風呂の実感があるのだが、ここは空以外には人工的に造られた庭しか見えないせいか、思いの外開放感は少なかった。風呂としてはシンプルな施設でも、やはり山にある方が自分は好きだ。
とはいえ温浴+cafeというコンセプトは悪くない。温泉に入ったり漫画を読んだり、ノートPCを持ち込んでコーディングしたり、行き詰まったらマッサージや温泉へと、丸一日をそうやって過ごすのも悪くないと思える。花湯スパリゾートが住んでる近所にあったなら、まず間違いなくそうしているだろう。