レポート | 日帰り
発哺温泉は岩盤から噴出する高温の蒸気を釜に溜め、山の湧き水を通して温泉にするという、ちょっと変わった蒸気温泉。志賀高原では最古の歴史ある温泉だが、奥志賀高原へかけてのスキー場エリア内にあり、あちこちにあるリフトのゴンドラがあまりそれを感じさせない。ちなみにリフトは冬以外でも稼働しており、周辺の山々を散策するベース、あるいは岩菅山への登山基地ともなる。
発哺温泉の中で混浴の露天風呂を持っているのが薬師の湯。スキー場エリアということもあり冬場はカップル達が集まりウハウハかと期待するのは残念、生憎と冬季には露天風呂は閉鎖される。志賀高原と温泉があまり結びつかないのか、冬季以外はといえばスキーシーズンが嘘のように閑散としたもので、集まっても観光のご老人集団が多い。ゆえに純粋な混浴温泉ファンにとってみれば穴場とも言える。
【混浴の日帰り時間】
薬師の湯の露天風呂には女性時間が設けられており、10時〜12時、14時〜16時、21時〜22時は女性専用。20時〜21時は男性専用。聞いてみたら17時くらいまでなら日帰り入浴を受け付けるそうなので、12時〜と16時〜だけが日帰りで混浴を楽しめる時間帯となる。
この日はまたもや突然の予定変更で事前調査無しの訪問。到着時間が運の悪いことに13時50分頃だった為、混浴時間まで2時間待たなければならない。ハード目の山歩きをしてきたばかりだったので山の散策などする気になれなかったし、かといって時間を潰すにも周辺には何もないような場所。涙を飲んでツレ一人に行ってもらった。ということでこれはツレの話を元にしたレポートなのでご了承を。
【混浴露天風呂】
ホテル正面先から落ちて行く斜面の途中に露天風呂があるため、ロビーの下の階に移動してからトンネルを抜けるような形で一旦ホテル外に出ることになる。葦簀に囲われた湯小屋に入ると、カゴを置いた椅子を並べただけの質素な脱衣所。湯船と脱衣所の間には段差と背の低い仕切りしかないので、女性はちょっと着替え難いかもしれない。
湯船はさほど大きくなく、中くらい程度のもの。写真を見てわかるように、左右は葦簀、後方は石壁、ついでに屋根まで被っているので、開放感はイマイチ。開いた一方は背の高いススキが景観を邪魔している。見方を変えれば、平日を狙って貸切風呂のように静かでプライベートな大人の時間を過ごすのにいいかもしれない。
ちなみに14時ちょっと過ぎの時間で露天風呂はまだお湯を溜めている途中、まだ1/3ほどしか入ってなかったそうだ。16時からの時間なら確実だろうが、そろそろ宿泊客が到着する時間でもある。事前に電話確認して12時台を狙うのが一番いいと思う。
車を停めたのはホテルの前ではなくホテルから離れて上部にある共同駐車場だったのだが、露天風呂からうちの車が見えていて手を振ってみたそうだ。逆に言ったら駐車場から露天風呂が見えてしまうということだが、多分あの辺に露天風呂がありそうだなということは分かっていても、ススキに覆われて人の姿には気づかなかったから心配することはなさそう。双眼鏡でも持っていれば違うだろうが、若い人が集まるような所でもないのでそういう目的でわざわざ来る奴もいないだろう。