レポート | 日帰り
貸切内湯
混浴内湯
関越自動車道の開通まで東京と日本海側を結ぶ重要な交通路であった国道17号。古くは江戸と越後を結ぶ主要な街道でもあった。標高の高い難所である三国峠の手前には、足休めの宿場がいくつも栄えていた。かつては寂しかったであろう峠道には物の怪の話も伝わり、なかなか興味深い土地柄でもある。
そんな三国峠の太平洋側にあり、国道17号の路線計画から僅かに逸れたため、アスファルト化を逃れて今も石畳の通路を残す宿場町が、湯宿温泉だ。
湯本館には露天風呂はないが、内湯の大浴場が混浴。浴室は広々していて、内湯でありがちな圧迫感はない。浴室の中央には大きめの円形湯舟があり、なかなか面白い。女性用の内湯もあるのだが、そちらと大浴場は繋がっていないため、女性も男性と一緒に大浴場の脱衣所で着替えることになる。
円形の湯舟を囲むように、ぐるりと洗い場が並んでいる。見通しがよく障害物もないため、浴室内はどこも誰からも見渡せる。女性には少し厳しい環境だろう。ただ、湯宿温泉自体が近辺の有名温泉地に比べて知名度が低いせいで、日帰りでは混雑することも少なそうなのが救いだ。
湯は透明で、かなり熱い。それはもう足を浸けることもできないくらい。蛇口からホースが延びていて、加水できるようになっていたから、大抵の人は熱く感じるのだろう。他に入浴者もいなかったことだし、なるべく遠慮がちに加水させてもらった。
といっても、ちょっと位の水では殆ど温度を下げることもできず、長くは浸かっていられなかった。湯量も豊富なようだし、かなり大きめの露天でもいけそうだ。大きな露天風呂ならばちょうど良い温度になりそうだなと思った。