レポート | 日帰り
赤城山中に数件の宿が集まっているのが赤城温泉。山深くあるここまで来ると、遠目で見る赤城山の印象とは違って、意外にも乾いた荒々しい印象を受けた。起伏の激しい土地に狭く寄り沿う建物が、より一層そんな印象を強める。
御宿総本家の内湯は男女別だが、露天風呂はひとつだけしかなく混浴となっている。この露天風呂は貸切も可能。
平日のこの日、人の姿は殆ど見えない。嫌な予感はあったのだが、総本家の玄関をくぐり声をかけてみるも、思った通りなんの反応も返ってこなかった。いや、もともと咽が細くて声の通りが良くないこちらも悪いのではあるが…。それでも諦めずに何度も声をかけていると、ようやっと気づいてもらえたようだ。
おかみさんに日帰りを頼むと、済まなそうにまだぬるいけどと言いながら受け付けて貰えた。宿泊が無かったのでボイラーを止めていたそうだ。そうそう日帰り客もいないだろうし、たった一組のそれも宿泊でない客の為にボイラーを点けさせるのは気が引けたが、嫌そうな表情を見せないおかみさんに甘えて入れさせて貰った。正直、観光客もあまりいない平日の日帰り客は割に合わないだろう。
【混浴露天風呂】
他に客がいないから男女別の内湯を使ってもいいと言われたが、やっぱせっかく来たからと露天風呂を選ばせてもらった。露天風呂へは旅館の中を通り、中庭に出て向かう。出口には貸切中の看板が用意されているので、この看板で出口を塞げば貸切利用が可能だ。
石畳の中庭の先に、仕切りも無く唐突に湯舟がある。脱衣所らしきものは無く、中庭の真ん中にある石のテーブルの上に着替え用の籠が置かれていた。後で気づいたが、湯舟のすぐ隣に衝立があって、その裏にも籠が用意されているので、女性はこちらで着替えると良い。
お湯は茶色で、温度はやたら低い。なるほど、ボイラーを焚かなきゃ入れたもんじゃない。火を点けたばかりでまだ全然暖かくなかったが、冬でもないしまあいいかと浸かっているうちに温かい湯が流れ込んできた。崖縁にある湯舟だが、開放感をさほど感じなかったのは、柵の目が細かいせいだろうか。景色はというと山肌はまだ茶色く枯れており、深山の趣を感じるには少し時期が早かったようだ。
ところでこの後に、御宿総本家のすぐ隣にある湯之沢館にも行ったのだが、生憎と休みであった。平日はすいてていいのだが、逆に人が少な過ぎるとこういうこともあるので考えものである。
※不埒者が多くこれ以上悪い評判をまき散らせないとのことで、混浴は廃止されました。引き続き貸切は可能。