レポート | 日帰り
上牧温泉は水上温泉郷と同じく利根川沿い、水上温泉より下流4kmほどの所に位置する。旅館が5軒ほどしかない小さめの温泉地だが、山下清画伯が逗留したこともあり辰巳館には画伯の手による壁画の浴場まである。5軒しかない旅館のうち、貸切露天風呂がある唯一の旅館がホテルニュー上牧。
【隣接マンションと区別し難いホテル】
国道291号から細い道に入って坂道を下りて行くと、利根川の手前にホテルニュー上牧があるのだが、マンションが隣接しているうえにホテルそのものもマンションみたいに見えるので、看板はあれどどれがホテルなのかちょっと迷ってしまった。
とりあえず数台分の区画がホテルとマンション住人用で区別されている駐車場に車を停めて、階段を下りると「HOTEL NEW KAMIMOKU」と壁に書かれていることを確認。ここがホテルニュー上牧で間違ってないと安心する。
後で調べてみると、大浴場など一部の設備がマンション住人と共用となっている、あまり馴染みのないスタイルのホテルらしい。
【日帰り入浴について】
ホテルニュー上牧の駐車場があるのはちょうどホテルロビーの2階部分の屋上になる。そしてその駐車場の一角に後付け感ありありで貸切露天風呂が設置されている。その外観があまりにしょぼそうで、サイトで写真を見ていなかったら躊躇しそうなほど。この貸切露天風呂は日帰りでも利用でき、45分の時間制限で一人1,000円、ふたりでは2,000円となる。入浴料コミでこの値段だから、日帰り貸切としてはリーズナブルな値段設定。
いきなり行っても空いていれば貸切入浴できそうな雰囲気もあったが、基本的には前もって電話予約が必要。今回は前日に電話をして時間を予約しておいた。貸切利用できるのは17時までで、17時以降は男女入替えとなる。朝は7時からなので、宿泊の場合チェックインが遅いと貸切利用し難くなるので注意。
【貸切露天風呂】
フロントのあるロビーからエレベーターで2階に上がり、渡り廊下を突き当たりに行くとそこが貸切露天風呂。隅にある洗い場だけ御影石調のタイルが貼られている以外は湯槽も床も全て木の板で造られており、湯槽に対して床を広くとる設計がマッチして贅沢感が溢れる。外から見たしょぼさとは打って変わった雰囲気に感嘆する。
景色も開口部は広くないが上手く山並が見えるように切り取って、がちゃがちゃした街並を目立たせず絶妙な感じ。床が広いため窮屈感も少なく屋根付きの露天風呂にしては開放的な気分も充分演出されている。駐車場の一角という厳しい条件の中でこれを設計した人は、なかなかの匠だなと思った。
源泉は上牧温泉の新湯2号泉。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。貸切露天風呂にもちゃんと温泉が使われている。加温と循環はまあ貸切風呂で気にしても仕方あるまい。雰囲気はなかなか良いので、昼間だけでなく夜間も貸切できたらもっと良くなるのに、ちょっとおしい。