レポート | 日帰り
岐阜県高根村にある塩沢温泉は、気軽に行くには高速道路から遠すぎる場所にある。しかし、こういう場所の方が行き甲斐があるというものだ。この日は白骨温泉から乗鞍高原を抜けるコースを取り、およそ6時間程の移動となった。到着した時にはもう日も暮れ、高根村にある道の駅で車中泊、翌朝入浴という予定だ。
翌朝8時に道の駅を出発。高根村の中心まで行き、そこから塩蔵川沿いの山道を北上すると、湯元山荘と書かれた黄色い看板が現れる。看板に従って右折すると程なく塩蔵川に突き当たり、その対岸に塩沢温泉の露天風呂はあった。深い森の中の露天風呂といった風情、湯舟から溢れ出した湯が川に流れ込み、堆積が茶色い結晶となって湯舟のまわりをこってりと固めている。
【湯元山荘】
木組みの橋を対岸に渡ると、「湯元山荘」と看板の掛かった建物があった。窓から中を覗くと部屋には何も無く荒廃しており、暫く人の入った気配は感じない。かつては休憩所として機能していたらしいが、今はもう使われてないようだ。
【露天風呂】
橋の少し右側に、折り返すように露天風呂に降りる石段がある。降りていくと、黄色い湯の溜まった湯舟があった。脱衣所はどこにも無い。その場所は車を停めた対岸からも目を遮るものは無い。まあ、誰もいないのでいいか、ということで、石段を降りた辺りの湿っていない適当な石の上に服を脱いだ。
湯は黄色く濁っていて、表面から10センチ程度の深さまでがかろうじて見える程度だ。温度も高くなく、早春や晩秋では辛いだろうと思う。景色は特別素晴らしいものではないが、自然の中にいるという実感が有り、なかなか満足できるものだ。なにより団体が来ることは無いだろうから、のんびり過ごせる時間が嬉しい。
※入浴禁止になりました。ポンプ故障がきっかけで、修理予定はないとか。有志の清掃も取り止めとなりました。もともと市は廃止にしたがってたという噂。