レポート | 日帰り
あまのみち温泉「森のバス」は、秋田県湯沢市の国道398号沿いにある日帰り入浴施設。全て部屋の付いた個室タイプの浴室しかなく、大浴場のような共用設備は無い。コンセプト的には栃木県鬼怒川温泉の「あけび」に近いものなのだろうと想像して行ってみた。
【料金システム】
料金システムは、A〜Sまでの部屋タイプにより2〜3名なら1時間当たり一人600円〜1,500円。2名以上での利用が想定されており、1名で利用する場合は前記料金の80%増しが適用される。また、4〜5人、6〜7人と人数が増えれば一人あたりの料金は下がって行く。時間は最低2時間から1時間単位となる。
【予約】
どうせなら露天風呂が一番大きそうな17Eという部屋がいいかと、到着1時間ちょっと前に空いているかどうか予約の電話を入れる。なぜかでは6Eでと返答され、17Eは空いてないのか聞いてもそれには答えてもらえずEタイプがご希望なら6Eで、とのこと。
よくわからんがじゃあ6Eでお願いして電話を切ると、再び電話がかかってきて6Eは本日湯を入れてないので他にしてくれとのこと。だったら最低でも露天付きが良いので2Dの部屋を予約する。
2名程度にはEタイプの部屋を貸したくないんじゃなかろうかと僻んだ考えも浮かんでしまうが、なんにせよ電話での印象はあまり良くなかった。料金は2名2時間で4,400円。
【施設は小奇麗】
施設は現代的で小奇麗。美術館みたいな雰囲気もあるロビーから、ちょっと洒落たホテルの廊下のような通路を通って2Dの部屋に向かう。クチコミをいただいたから知っていたが、やはり扉は中が見えるように小窓が付いており、鍵もかからない。
部屋は一部畳が敷かれたモダン和室というようなもので、六畳プラスの広さ。入口を入ってすぐの右側にはちょっとした小部屋もあり、全体としては十畳程はありそう。窓の外には三畳程はありそうな広さのウッドデッキ。
【個室の風呂】
入口の右側に脱衣室があって、内湯、露天と続く。Dタイプの部屋は最大8名程度までの利用に対応しているが、内風呂の大きさは3〜4名くらい。露天は二人が限度だなという大きさ。快適な利用人数は子供二人の家族四人程度までかなという感じ。
露天に関しては、部屋の外のウッドデッキとわざわざ仕切らないでひとつの露天風呂空間にすればかなり好印象になりそうなのに、なんでこんなに狭っこくしてしまったんだろうと残念。おそらく入口扉の覗き窓があるせいで部屋の外からウッドデッキまで見えてしまうから、露天風呂とは切り離さなければならなかったのだと思われる。
【寛げない…】
公衆浴場法施行条例第4条により、個室が外から見える窓を設けることと施錠しないことが決められているので、このような対応になっているそうだ。しかしそのため使い勝手の悪い個室風呂になってしまったのはいただけない。
だって2時間もあったら風呂に入ったり部屋で寛いだりを何度か繰り返すだろうに、裸はもちろん下着だけでうろつくことさえ許されない。自分で部屋着を持ってかなければ、いちいち外出着を着たり脱いだりしなくてはいけないのだ。それに外出着を着たままではせっかくの部屋もいまひとつ寛げない。
法の遵守は仕方ないにしてもせめて浴衣ぐらい用意しとくくらいのサービスは欲しいところ。それと、温泉で汗をかいても扇風機が無い。冷たい水も置いてない。冷蔵庫はあるが中身は空なので、入館前に何か買っとくのが正解。
何かと細かいところに行き届いてなさを感じる。このため正直、最低の2時間でも時間を持て余した。日帰りの個室風呂って最近増えてきているし良いと思うのだが、ここ「森のバス」に関しては、忸怩とした残念感が残ってしまった。
※閉館したようです。