レポート | 日帰り
昭和30年代に三又の湯元をボーリングし直して開業したのが始まりの三ッ又温泉。2006年には一度閉鎖するものの、多くの再開を望む声により2008年に営業を再開。その際に老朽化した施設も改修されたそうで、山奥の一軒宿にしては新しく綺麗な内外装であった。
三ッ又温泉には男女別の大浴場に加えて、「甲の湯」「三ッ森の湯」と名付けられた二箇所の貸切風呂がある。二箇所とも内湯と露天が付いた浴室となっている。「甲の湯」は定員2〜3名のこじんまりとした浴室。「三ッ森の湯」は定員3〜6名の少し広めの浴室。
【日帰り貸切料】
貸切風呂の利用は「甲の湯」が50分1,000円、「三ッ森の湯」が50分1,500円。日帰りでも入浴料コミで人数にかかわりなくこの値段で入浴できる。良心的過ぎるだろとツッコミを入れたくなるほどのリーズナブルさ。
【平日でも賑わう】
横手川源流の山懐深く分け入った所にあるわりに、三又温泉に到着すると平日というのに何台も車が停まっている。館内からは賑やかな人の声。
三ッ又温泉では岩魚料理等のランチメニューもあり、ちょうど到着が昼時だったのでこの賑やかさだったのだろうか。ここまでの山深い道程が嘘のよう。
貸切の利用を申し出ると、大きい方の「三ッ森の湯」は使用中とのことで、二名のこちらとしては異存なく小さい方の「甲の湯」でお願いする。二人で考えればただの日帰り入浴と同等の1,000円を支払い、貸切風呂へ。
【貸切風呂 甲の湯】
「甲の湯」の脱衣所は狭いながらも洗面台にトイレまで備わっている。さりげなく水差しも置かれ、脱水にならないよう配慮も感じられる。内湯は木の浴槽で、二人には充分な広さ。シャワーはひとつだけだが、カランはふたつある。
露天に出るとこじんまりとした石の湯槽。清流に面した外には防虫ネットが掛けられ、虻蚋対策もばっちり。景色は凡庸ではあるし浴室にも特別感はないけれど、とにかく配慮が行き届いているとツレがいたく気に入っていた。ツレがまた来たいと言う温泉は滅多にはない。
しかしこの旅行から帰って月が変わった10月5日、公式サイトのブログにびっくり。11月30日の営業を最後に閉館するのだそうだ。冬期休業のことかと一瞬思ったが、ちゃんと読めばやはり完全に閉館するらしい。残念だ。
※2013年11月30日を最後に閉館しました。